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FiO2とは何か。PaO2/FiO2の意味

とある医学生の雑記帳 (2015-09-06 配信)
FiO2とは何か。PaO2/FiO2の意味  
から引用改編



FiO2とは
fraction of inspiratory oxygen
の略で吸入酸素分画(吸入酸素濃度)の意である。
簡単にいえば吸気時の気体に含まれる酸素の割合ということになる。

例えば37度の室内空気はFiO2=0.21ということができる。



■それではFiO2は何のために用いるのか

FiO2が臨床的に用いられるのはARDSとALIの鑑別を行うときである。

ARDSとは急性呼吸窮迫症候群のことで、
敗血症や肺炎、外傷、熱傷などによって透過性亢進型肺水腫となり、
高度の低酸素血症をきたした状態のことをいう。

ALI(急性肺損傷)とはARDSよりかは低酸素血症が軽い場合のことをいう。


それぞれは非常に似ており、


症状:呼吸困難、過呼吸、チアノーゼなど

検査所見:PaO2低下、AaDO2開大

などを呈する。


そして胸部レントゲン上で両側の浸潤影が認められ、
尚且つ心原性の肺水腫が否定される場合にARDS、ALIを考えることになる。

ards.jpg 
acute:急性
respiratory:呼吸器の
distress:悩ます,苦悩
syndrome :症候群
両肺にスリガラス像
http://breathok.com/ards

参考:

急性肺障害(ALI)および急性呼吸促迫症候群(ARDS)は,
敗血症,肺炎,外傷,および/または誤嚥によって最も多く引き起こされる,肺の炎症性疾患である。

ALIおよびARDSは,左房圧が上昇していない状態での低酸素血症および胸部X線上のびまん性浸潤によって特徴づけられる。
ALIおよびARDSは低酸素血症の程度においてのみ異なる。
診断は臨床所見,ABG,および画像検査によって行われる。
治療は,1回換気量が少ない肺保護的な機械的人工換気のもとに支持療法,根本原因の治療を伴う。
ここ10年間で全死亡率は減少しているものの,
死亡率は依然として高く(30〜40%),加齢または併存疾患によりさらに高くなる。


心原性肺水腫とは心筋梗塞や弁膜症などにより左室がポンプとしての役割を果たせなくなり、
肺に水が貯留して肺水腫になるもののことを言う(文字通り、心臓に原因のあるもの)。
心原性の肺水腫を否定するには肺動脈楔入圧をカテーテルで測定して18mmHg以下であることを調べればよい。
http://merckmanual.jp/mmpej/sec06/ch066/ch066a.html


さてARDSとALIをFiO2でどう鑑別するのかというと


PaO2/FiO2≦300mmHg…この場合をALI(急性肺損傷)

PaO2/FiO2≦200mmHg…この場合をARDS(急性呼吸窮迫症候群)


とする。



ここで少しわかりにくいのはPaO2/FiO2という単位(P/F比とも)。


これは酸素化の指標なのであるが、なぜPaO2をFiO2で割るのか。

まず基本的な話であるがPaO2というのは血中の酸素分圧である。

PaO2が高ければ高いほど酸素化が上手く言ってるというのはわかると思うが、
その時にどれだけの濃度の酸素を与えているのか(FiO2)という点も考慮しなければならない。


例えば・・・

FiO2=0.9の酸素を与えてPaO2=120と

FiO2=0.5の酸素を与えてPaO2=100を比較したら

どちらが良いのかは一概には言えない。

そこで

PaO2をFiO2で割った比=PaO2/FiO2
を酸素化の指標として用いている

のである。

この数値が高ければ高いほどよく酸素化されているということになる。
つまり吸入酸素濃度FiO2が低いのに血中酸素分圧PaO2が高いという方が良いということである。


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2016/01/23 12:33 呼吸器 TB(-) CM(0)
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