CO2ナルコーシスの病態と治療(ナルコーシスは麻酔という意味)
とある医学生の雑記帳 (2014-05-31 配信)
CO2ナルコーシスの病態と治療 から引用改編
CO2ナルコーシスとは、
体内への高度なCO2蓄積によって、
中枢神経系の異常を呈した状態であり、
自発呼吸の減弱、意識障害が生じる。
通常、人は『酸素が少ないとき』と『二酸化炭素が多いとき』に脳がそれを感知し、
呼吸するよう命令を出しているのだが、
COPDの患者は、常に二酸化炭素が多い状態なので、
『二酸化炭素が多いとき』の命令がやがてなくなってしまう。
『酸素が少ないとき』のみ延髄の命令で呼吸をしている状態となり、
いきなり高濃度の酸素が送られると、『酸素は十分ある』と延髄は判断するため、
二酸化炭素の貯留に関わらず、呼吸が抑制される。
http://www.hanakonote.com/byoutaiseiri/copd.html主な発症パターンとしては…
COPDなどの慢性2型呼吸不全の患者では慢性的に血中のCO2が高いために中枢化学受容野の反応が鈍くなり、
呼吸運動の促進は血中の著しいO2低下に末梢化学受容体だけが反応して行われるようになる。
正常では血中のCO2上昇に中枢化学受容野が反応して延髄を刺激し、呼吸運動を促進させ換気量を増大する。
しかしCO2ナルコーシスでは延髄を刺激しているのはPaO2の低下に反応した末梢の化学受容体だけ。
そこに高濃度のO2が入ってくると末梢の化学受容体の刺激がやみ、
肺胞低換気によってPaCO2はひたすら上昇してしまう。
■治療
高濃度O2を投与していた場合はO2濃度を下げる。
低酸素血症が改善しない場合はNPPV(非侵襲的陽圧換気)の使用、
意識障害が高度の場合は気管挿管による人工呼吸管理に踏み切る。
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