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さて、今回は口腔内細菌感染症について
医学部ではあまり深く教わった記憶はないですが、 口腔ケア―の面や、全身疾患とも関わりも深いので重要です。 第108回歯科国試の問題です。 問1 成熟プラークに比べ初期プラークに多いのがどれか。一つ選べ。(108A-11) a 桿菌 b 運動性菌 c 紡錘状菌 d グラム陽性菌 e 偏性嫌気性菌 問2 デンタルプラーク中のグラム陽性桿菌はどれか、二つ選べ。(108C-63) a Actinomyces viscosus b Bacillus subtilis c Porphyromonas gingivatis d Propionibacterium acnes e Staphylococcus aureus ![]() http://kimotodental.blog92.fc2.com/blog-entry-82.html 解説などはMOREで確認してね! スポンサーリンク 歯科大生には退屈かもしれません。 専門ではないので、多少、間違いもあるかもしれません。 歯垢(Dental plaque)とは(Wikipediaからの改編) 一般に歯牙表面に付着した黄白色を帯びた粘着性の物体のことを指す。 厳密には歯牙との接触面は獲得被膜ペリクルと呼ばれる被膜で覆われており、 その上に形成されたものが歯垢である。 デンタルプラーク、また細菌のかたまり(バイオフィルム)と呼ばれている。 俗に歯屎(歯糞、はくそ)、歯滓(はかす)とも呼ばれる。 口腔内には、未同定の細菌を含め、約700種類の細菌が生息し、 この歯垢には1gの中に1億個以上の細菌が入っているそうです。 これは大便中の細菌数に匹敵します。 時期による歯垢の細菌の変化 歯垢付着直後(プラーク形成初期)は通性嫌気性菌(主に連鎖球菌)が多い ため、 健康的な口腔の維持には、レンサ球菌中心の細菌叢を保つことが重要である。 不十分な口腔ケアにより経時的にプラーク量が増加する。 歯や粘膜面に直接付着出来ない菌も、異菌種間の凝集により 初期プラーク形成菌に付着することで定着が可能となる。 ![]() 初期プラークでは、好気性球菌が目立つ。 http://www2.dent.nihon-u.ac.jp/microbiology/oral_infection/index.html より その結果、フラーク量は飛躍的に増加し、菌叢も複雑な様相を呈してくる。 また、プラーク量の増加と共にプラーク深部の酸化還元電位が低下し、 偏性嫌気性菌の発育が可能となる。 偏性嫌気性グラム陰性桿菌比率が増加するにしたがって、 歯肉の炎症や歯周病 periodontal disease が発症しやすい環境となる。 ![]() 慢性歯周炎患者の歯肉ポケットに形成されるプラークでは、 グラム陰性嫌気性桿菌が増加し細菌叢に遷移がおこり、 より複雑なプラークが形成され病原性プラークとなる http://www2.dent.nihon-u.ac.jp/microbiology/oral_infection/index.html より プラークの付着する部位による分類 歯肉縁上プラーク 歯の見えている部分(歯冠部)についたプラークです。 プラーク中の細菌が作り出す酸は、ムシ歯の原因になります。 また、歯とハグキ(歯肉)の境目についたプラークは、歯周病の原因になります。 歯肉縁下プラーク 歯周病が進行して形成される歯周ポケットの中につくため、 肉眼で確認するのは難しいプラークです。 歯周病菌は酸素を嫌う細菌(嫌気性細菌)なので、 歯周ポケットの中の酸素が非常に少ない状態を好んで棲みつき、 バイオフィルムといわれる強固な塊を作って定着しているのです。 部位の違いによる細菌の種類と病気 虫歯(齲蝕)の原因菌 むし歯の原因菌となるのは、主に歯肉縁上プラークの中の細菌です。 好気性菌といって空気の存在下でよく繁殖し、空気に触れる歯の表面部分で活動します。 通性嫌気性グラム陽性レンサ球菌が中心に、グラム陽性桿菌が共存するようです。 歯周病の原因菌 歯肉縁下プラークの中の細菌です。 嫌気性菌といって空気のないところでよく繁殖する菌で、 空気に触れない歯周ポケットの中で増殖し、歯周病を悪化させます。 具体的な菌種: 通性嫌気性グラム陽性レンサ球菌や桿菌が検出されるものの、 偏性嫌気性グラム陰性桿菌も生息するようです。 歯肉縁下プラークは歯肉の下にあるので、ふつうに歯をみがいただけでは、 歯肉縁上プラークほどきれいに落とすことができません。 歯肉縁下プラークは歯肉縁上プラークに比べ、 毒素の強い物質を作り出す悪玉の細菌が多く、 全身に悪影響をおよぼしやすいことも分かっています。 ![]() 日大歯学部細菌学教室のサイト http://www2.dent.nihon-u.ac.jp/microbiology/oral_infection/index.html より さて、答えについて語ろう。 問1 成熟プラークに比べ初期プラークに多いのがどれか。一つ選べ。(108A-11) a 桿菌 b 運動性菌 c 紡錘状菌 d グラム陽性菌 e 偏性嫌気性菌 先の解説で述べたように、初期プラークにおいては、桿菌もあるが、 多くはレンサ球菌なので、dのグラム陽性菌が正解。 eの偏性嫌気性菌は、病原性プラークに多い。 正解 d 問2 デンタルプラーク中のグラム陽性桿菌はどれか、二つ選べ。(108C-63) a Actinomyces viscosus b Bacillus subtilis c Porphyromonas gingivatis d Propionibacterium acnes e Staphylococcus aureus これは、少し難しい。 消去法で、e ブドウ球菌なので桿菌ではないので違う。 a Bacillus subtilis 好気性のグラム陽性桿菌で、芽胞を形成する菌だが、病原性は少なく プラーク内にはほとんど存在しない のであろう。 ということで、これは× c Porphyromonas gingivatis P. gingivalisは歯周病の代表的な原因細菌であるが、グラム陰性桿菌なので× ちなみにこの菌、歯周病の原因菌として非常に有名な細菌であり、歯周病原性細菌と呼ばれています。 歯周病の病巣局所から本菌が分離されるのはもちろん、 動脈硬化症病変などからの分離も報告されており、 本菌は歯周病原性細菌であると同時に全身疾患にも関与していると考えられています。 (京大微生物のサイト:http://www.tmd.ac.jp/grad/bac/PG.html から引用) ということで、 残る ad が正解 正解 ad 菌の種類について、 大まかに グラム陽性球菌、グラム陰性球菌 グラム陽性桿菌、グラム陰性桿菌 についてどのような菌があるかは、頭を整理しておきましょう。 なにごとも基本が大事です。 歯学部の学生さんも、通常の細菌学のテキストでザーと読んでまとめておきましょう。 |
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