一般総論:小児科 5
http://www.med.navy.mil/sites/sigonella/mhp/Pages/Pediatrics.aspx
医師国家試験過去問データベース
小児科50問(後半)より引用
赤字:歯科国試でも出題可能性あり
小-31 (107E38)
小-32 (107G17)
小-33 (107G23)
小-34 (107G26)
小-35 (107G69)
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解答
小-31 (107E38)
正解 a,c,etheme: 小児低身長
comments:
低身長の鑑別についての出題。
a 正しい。染色体異常により、生下時から低身長が出現する。
b・d これらでは高身長をみる。
c・e 正しい。
出生時には正常であるも、生後しばらくしてから低身長が出現した場合、
甲状腺機能低下や成長ホルモンの分泌不全を考慮したい。
内分泌性低身長の代表例である。
小-32 (107G17)
正解 dtheme: 遺伝形式
comments:
母方由来の遺伝であり、かつ男性にしか罹患していない。
X染色体劣性遺伝〈XR〉が考えやすい。
a・c 優性遺伝であれば両親のいずれかが罹患しているはず。
b 常染色体劣性遺伝〈AR〉であれば女性も罹患しているはず。
d 正しい。上記の通り。
e Y連鎖遺伝であれば父親が罹患しているはず。
補足
遺伝病は親から子へ伝わりますが、遺伝子変異の種類とは別に、遺伝形式にはいくつかあります(図 1 )。
1)常染色体優性遺伝形式 ―― 両親のどちらかが発病者で、子も 50 %の確率で発病する
(異常遺伝子が 1 つあるだけで発病するので優性と言います )
2)常染色体劣性遺伝形式 ―― 両親がいとこ同士で、同胞だけが発病する
(両親は劣性の変異遺伝子を 1 つずつしか持たないので両親は発病しません )
3)X染色体劣性遺伝形式 ―― 発病した男性の同胞の女性から生まれた男子だけが発病する
(男性は X染色体を 1 本しか持たないので、劣性でも発病します )
4)母性遺伝 ―― 母親からのみ伝わるものでミトコンドリア遺伝子によるもの、
などの形式があります。
母性遺伝以外の遺伝病は、46 本の染色体のどこかに局在している異常遺伝子
(病気を起こす責任遺伝子とも言います )によって引き起こされます。
表 1 には、染色体に存在する遺伝子の異常による神経疾患の例をいくつか挙げ、
それぞれに簡単な解説を加えてあります。
表 1 遺伝性神経疾患の遺伝形式と概説 |
常染色体優性遺伝形式をとるもの | ハンチントン病 | 成人発病の舞踏病で認知症を伴う。CAG リピートの異常伸長による。 | 家族性 アルツハイマー病 | 全アルツハイマー病の約 3 %が家族性。その場合、優性遺伝する。プレセニリン遺伝子の変異によることが多い。 | 家族性ALS | 全身の筋肉が進行性に失われてゆく筋萎縮性側索硬化症は通常は孤発性であるが、数%が家族性を示す。 | 筋強直性 ジストロフィー | 禿頭、白内障、筋強直現象、筋萎縮、などが進行する。ミオトニン蛋白キナーゼ遺伝子内の CTG リピートの異常伸長。 | 脊髄小脳変性症 | 運動失調を主とする進行性の病気の総称。このうち約 40 %が遺伝性を示し、その多くは CAG リピート病である。 | 遺伝性 ニューロパチー | 末梢神経の進行性の障害をきたす遺伝病の総称。ミエリンを構成する様々な蛋白の異常によることが多い。 | 遺伝性 ジストニア | 姿勢異常や不随意運動を進行性に示すことが多い病気の総称。いくつかの型があるが一部の遺伝子が判明している。 | 急性間欠性 ポルフィリア | 急性に腹痛発作をきたし、末梢神経障害を伴う。ヘモグロビンの色素であるヘムの合成酵素の 1 つの遺伝子異常による。予防可能である。 | 常染色体劣性遺伝形式をとるもの | フェニルケトン 尿症 | 先天性にフェニルアラニンの代謝ができないため、脳障害をきたす。フェニルアラニンの少ない特殊なミルクで育てると障害を予防できる。 | ウィルソン病 | 先天性に銅代謝と関連する酵素の障害により、肝障害とジストニアなどの運動障害をきたす。早期から沈着した銅を除去すればよい。 | 家族性 パーキンソニズム | 家族性に発病するパーキンソニズムの総称。多いのは日本で発見されたパーキン遺伝子異常によるタイプ。早期発見、早期治療ができる。 | X染色体劣性遺伝形式をとるもの | デュシャンヌ型 筋ジストロフィー | 幼少期に腰を振るような歩行障害で発病して進行する。筋肉の膜を構成するジストロフィン蛋白を作る遺伝子の欠失によることが多い。 |
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https://www.rikanenpyo.jp/FAQ/seibutsu/faq_sei_008.html
小-33 (107G23)
正解 e
theme: 男児の二次性徴
comments:
男児は下→上に二次性徴が進行する、という典型的な出題である。
本選択肢では、e→a→b≒c→dの順に進行する。
a 陰毛発生は13歳ごろからみられる。
b・c 腋毛発生や声変わりは14歳ごろからみられる。
d 鼻の下の髭は15歳ごろからみられる。
e 正しい。精巣容積の増大は10歳ごろからみられる。
http://tanaka-growth-clinic.com/shishunki/shishunki.htm
小-34 (107G26)
正解 d
theme: 新生児マススクリーニング
comments:
a~c ここまで急がれる検査ではない。
d 正しい。一般的に生後4~7日ころ施行されている。
e マススクリーニング疾患には精神発達遅滞をきたすものが多く、生後1か月は待ちたくない。
小-35 (107G69)
正解 a
theme: Apgarスコア
comments:
Apgarスコアは
①皮膚色(appearance)、
②心拍数(pulse)、
③刺激に対する反射(grimace)、
④筋緊張(activity)、
⑤呼吸(respiration)、の5項目からなる。
各2点で評価し、10点満点。7点以下が仮死である。
http://ameblo.jp/sanfujin/entry-10962962680.html
a 誤り。体温は含まれない。
b~f 上記の通り、含まれる。
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