スポンサーリンク 何だ、この水中生物は? - 医療関係資格試験マニア
fc2ブログ
様々な医療福祉関係の資格試験に挑むブログ
プロフィール

かず

Author:かず
某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
内容は、国内の医師、歯科、薬剤師、看護師国試など、さらには米国医師資格試験(USMLE)、米国歯科医師資格試験(NBDE)あたりの問題にも挑戦する予定です。
応援よろしくお願いいたします。

ブログ使用時の注意点:
PCビューで見ると、答えが隠れています。
解答を見る場合は、”MORE”ボタンをクリックして下さい。
スマホですと、全てが表示されてしまうので演習目的の場合はPCビューがお勧めです。

広告
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学校・教育
10位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
1位
アクセスランキングを見る>>
楽天お勧め
google+1
 ”微生物学実践問題 第4章 30” からの出題。

しばらく、寄生虫続きます。

画像はオリジナルとは違うことはお断りしておきます。


問題

バックパッカーたちが何もない熱帯の島を訪れた。
彼らは現地の人々が飲用・生活用水として利用している川であれば、
水遊びしても安全だと判断した。
しかし、水質検査の結果、写真に示す寄生虫が多数見つかった。
この写真から、旅行者たちがこの未処理水で水遊びを行うことにより、
どのような寄生虫感染症の危険に曝されるか。

yjimageGBOLQA70.jpg


A) アメーバ症
B) 回虫症
C) 肥大吸虫症
D) ランブル鞭毛虫症
E) 住血吸虫症





解答と解説:MOREをクリック

スポンサーリンク


解説と解答


答え: E 住血吸虫

解説

写真は感染性のあるセルカリア期の住血吸虫を示している。
この吸虫症は、寄生虫が腸管や膀胱近くの静脈血管に寄生することで起こる。

塩素消毒や熱処理はセルカリアを殺滅することができるが、
この旅行者たちがそのような処理をしているとは考えられない。

セルカリアはこの吸虫の中間宿主であるカタツムリで生じ、
24時間程度水生環境で生存可能である。

たとえ、川を徒歩で渡る際のわずかな時間でも、
セルカリアは皮膚から侵入することができる。

この水は明らかに人の糞便で汚染されている。
よって、この水を飲料水として使用することは、
他の微生物感染症に罹患するる危険性もはらんでいる。

(微生物学実践問題 p100-101から引用)

問題の写真:http://crosswords911.com/cercaria.html から引用


住血吸虫症について (Wikipediaから)


住血吸虫症は基本的には慢性疾患である。

住血吸虫が皮膚から侵入したときにかゆみを伴う発疹(セルカリア皮膚炎)がみられる。
急性期の症状としては、発熱、蕁麻疹、下痢、肝脾腫、せきなどがあり「片山熱」と呼ばれているが、
目立った症状のない不顕性感染となることも多い。

慢性症状は、成虫の寄生部位によって、
尿路住血吸虫症 と 腸管住血吸虫症とに大別できる。
(住血吸虫はそれぞれ尿路または腸管を取り巻く静脈叢に寄生する。)

尿路住血吸虫症では、血尿がみられ、進行すると尿路の線維症や腎炎が認められる。  
合併症として膀胱ガンが増えることも知られている。
病変は生殖器にも及び、女性では陰部の炎症や出血、結節、性交痛など、
男性では精嚢や前立腺に異常が見られ、不妊の原因にもなる。

腸管住血吸虫症では、腹痛、下痢、血便などがみられる。
進行すると肝脾腫がおこり、門脈圧亢進により腹水が溜まる。
食道静脈瘤が認められ、吐血する場合もある。
脳腫瘍に似た症状を示すこともある。


人に感染する住血吸虫としては、


尿路周囲の静脈叢に寄生する

1)ビルハルツ住血吸虫(Schistosoma haematobium)

門脈など腸管周囲の静脈叢に寄生する

2)インターカラーツム住血吸虫(S. intercalatum)
3)日本住血吸虫(S. japonicum)
4)マンソン住血吸虫(S. mansoni)
5)メコン住血吸虫(S. mekongi)

の5種が存在する。

Schistosomiasis_Life_Cycle_ja.png


※ かつては日本でも山梨県・広島県・福岡県で日本住血吸虫の感染者が多かった が、
   1978年に山梨県で確認された患者を最後に、新たな感染者は報告されていない。
   1990年に福岡県で安全宣言、1996年に山梨県で終息宣言がされ、
   世界で唯一住血吸虫症を撲滅した国となった。




関連記事
2015/05/29 00:10 感染症・微生物学 TB(-) CM(0)
コメント















 管理者にだけ表示を許可する

アクセス数
検索フォーム
知りたい疾患や用語に関連するブログ記事を探すのに使ってください
広告配信
人気記事
本ブログ内でよく読まれている記事
カレンダー
02 | 2023/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
月別アーカイブ(タブ)
各年のアーカイブ全体はLISTをクリック下さい。 LISTを閉じる際は、SELECTをクリック下さい。
リンク
医歯学などの勉強に有用なサイトを随時増やしていきます。 リンクサイトでアクセス出来ないものあれば、メールフォームで遠慮なく教えて下さい。
ブログランキングなど
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: