スポンサーリンク 35 歳の男性:発熱と呼吸困難(内科専門医試験) - 医療関係資格試験マニア
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先日、内科専門医を目指す若い先生と共に、
ある呼吸器の問題をみていました。
その中で、以下の問題に類似するものをあるブログから見つけたのでupしました。

http://utudoctor.seesaa.net/article/398063019.html から
解答も本ブログから転用してます。


認定内科試験過去問 第29回39番

35 歳の男性.3 日前からの発熱と呼吸困難とを主訴に受診した。
4 週前から労作時の息切れを自覚し,徐々に増悪し,荷物を持つだけで息切れを自覚するようになった。
現症:意識は清明。体温 38.8℃、脈拍 116/分,整、血圧 106/60 mmHg。
呼吸数 42/分.SpO2(room air)89%。胸部聴診でラ音を聴取しない。
心音に異常はない。下腿に浮腫はない。
口腔内の写真【図No.13】、胸部X線写真【図No.14】を示す。

肺病変の診断確定に最も有用な検査はどれか。1 つ選べ。
(a) 胸部CT
(b) 血液培養
(c) 気管支肺胞洗浄
(d) 血漿β-D-グルカン測定
(e) 血清プロカルシトニン測定

E58FA3E88594E381A8E383ACE383B3E38388E382B2E383B3.jpg


解答:MOREへ

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解答


正解  (c) 気管支肺胞洗浄


難易度としてはそう難しくないですが知らないと解けない・・・って感じでもないんですが、
まず症例として若い男性の発熱+呼吸困難、息切れでまずは呼吸器感染(気管支炎とか肺炎)を考えますね。
意識清明なのはいいとしてもレート速いし呼吸数半端ない。
生来健康でルームでSPO2が90切ってますからこれは緊急疾患です。

そこで画像見ていきますと・・・
なんで口腔写真からやねん!
咽頭喉頭の白苔にしては広範すぎですね。
溶連菌などではなく口腔内のカンジダ?と思いたいです。
口腔や食道カンジダと言えば・・・・そう免疫不全、コンプロマイズドホスト・・じゃHIVでは?と

そう考えるとHIV陽性かもしれない感じで肺に病変きたら・・・まぁカリニ(死語)ですよね
ニューモシスチス肺炎を想起させる問題ですね

というわけで診断はBALでグルコット染色!で、
答えはCの気管支肺胞洗浄で正解でいいと思います。


Jiroveci.jpg

肺胞洗浄液のグロコット染色

マクロファージに貪食されたP. Jirovecii(=P. carinii)
Grocott染色で黒く染まる円形, カップ状cup-shaped, あるいは三日月型の菌体を認める。
http://www.ft-patho.net/index.php?Pneumocystis%20Jirovecii 参照


イヤーノートチェックしてみました


・ニューモシスチス肺炎(Pneumocystis pneumonia たまに略語でPCP)

以前はカリニ肺炎と言われていたが今はイロヴェチ(Pneumocystis jirovecii)
いまは原虫ではなく真菌の一種とされている。

・発熱、乾性咳嗽、呼吸困難が三大症状

・胸部の理学所見にとぼしい(今回の症例もラ音がない!)

・病初期より低酸素血症が目立つ

・サイトメガロウイルスや真菌、抗酸菌の混合感染もある

・気胸を合併することもある

画像所見)
・胸部レントゲン:両側のびまん性のスリガラス~斑状陰影
・胸部CT:スリガラス状陰影(GGO)

診断)
(低酸素多少ヒドくても頑張って採取してもらう!)
TBLBかBAL:Grocott染色でcystが黒く染まる
DiffQuik染色:ディフクイック染色で紫に栄養体が染まるのもそろそろ常識かな

嚢胞壁がβDグルカンを持ってるので当然上がる

治療)
ST合剤(バクタ)なんですが
もう一歩すすんで著明な低酸素(PaO2<70)のときはステロイド!!
使用するということを忘れないでください


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2016/04/07 20:18 呼吸器 TB(-) CM(0)
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