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今回は、臨床問題 (USMLE step 1 一部改編)
![]() http://www.kan-setu.com/kansetu-riumati.html 問題 20歳の男性。肥満気味。午前5時、救急外来に来院。 彼は昨晩、缶ビールを何本も飲み、就寝した後、 手関節部に激しい痛みを感じて目が覚めた。 手首は腫脹し、圧痛がある。 患者はやや見当識障害があり、軽い運動失調がみられるが、 転んだ記憶はない。手関節部X写真には異常はないが、微熱がある。 長期療法として、この患者への最も適切な治療法はどれか。 A アシクロビル B アロプリノール C アマンタジン D アセタゾラミド E アスピリン 解答などはMOREで確認を スポンサーリンク かなり若い肥満男性で、飲酒後に手関節痛が急激に出現したということで、 細かい血液データは表示されていないが、やはり痛風 gout が想起されるであろう。 好発部位である足部拇指MP関節ではないので、多少迷うかもしれない。 痛風は、尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎を伴う症状になる病気であります。 血清尿酸値が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症とされています。 また、血清尿酸値の高い方は、 メタボリックシンドローム(肥満、脂質異常症、耐糖能異常、高血圧症など)の頻度が高くなります。 さて、 高尿酸血症と長期療法として、この患者への最も適切な治療法は? ということで、慢性期の投薬について聞いているので 尿酸排泄剤: ベンズブロマロン(商品名:ユリノーム)、プロベネシド(商品名:ベネシッド) または、 尿酸生成抑制薬: アロプリノール(商品名:ザイロリック、アロプリノーム)、 フェブキソスタット(商品名:フェブリク) :2011年より使用可能となった新薬、尿酸を下げるには効果的 が妥当な薬物であるので、 答えはBのアロプリノール 急性期の治療という質問であれば、 NSAIDの一つである、Eのアスピリンが正解となる。 痛風発作の最中に尿酸降下薬を開始してしまうと痛風発作が悪化したり遷延化することが多く、 急性期には、痛風発作中に尿酸降下薬は開始しない こととされている。 痛風発作は関節腔内に蓄積している尿酸塩結晶が不安定な状態となって 好中球の貪食を受ける際の急性炎症反応とされているが、 不安定化の原因として血清尿酸値の変動が大きく影響していると考えられる。 このため尿酸降下薬の投与は痛風発作発症の危険因子の一つである。 痛風発作の直後は、当該関節内の尿酸塩結晶が不安定な状態であり、 再発作の危険性が高いため発作終了後2週間程度が経過してから 血清尿酸値が急激に低下しないように少量の尿酸降下薬から開始することが必要である。 (http://www.higasiguti.jp/page/tufu/hinpatu.html から引用) コルヒチンは、初回ではなく、何度か発作を繰り返す場合などに 前兆期(ムズムズする、ピリピリする、何となく痛い)の間に 1錠だけ 内服すると効果があるとされている。 ちなみに、 A アシクロビル:商品名;ゾビラックスでヘルペスの治療薬 C アマンタジン:パーキンソン病の治療薬 D アセタゾラミド:ダイアモックスで緑内障の治療薬 痛風発作の初発好発部位:足部拇指MP関節 ↓ ![]() http://www.webmd.com/arthritis/ss/slideshow-gout より 関節液を偏光顕微鏡にて認められる針状結晶 ↓ ![]() http://imgarcade.com/1/gout-crystals-microscope/ より 高尿酸血症に対する食事療法 プリン体を多く含む食品の摂取は控えること 肉や魚の内臓類に多く含まれるプリン体は、体内で尿酸に代謝され、尿酸は尿中に排泄されます。 体内の尿酸が増えると、血液中に蓄積されることから、プリン体を多く含む食品の摂取は控えましょう。 また、プリン体は、水に溶けるので、肉や魚からとったスープ(鶏がらスープなど)にも注意が必要です。 プリン体の多い食品と少ない食品 ↓ ![]() http://www.kaiseihp.com/suzu-byoin/image/kenko-hiroba/yakuzai/k-h-y1-255.html より ★ ワンポイントアドバイス 偽痛風 pseudogout:CPPD(calcium pyrophosphate dehydrate deposition) 結晶沈着症 偽痛風(Pseudogout)とはピロリン酸カルシウム(CPPD)の沈着を原因とした関節炎を来す疾患。 CPPD沈着症、軟骨石灰化症とも呼ばれる。 痛風と同じような症状を来たしながら高尿酸血症が見られないことから名付けられた。 痛風患者に比べると、やや高い年齢(60歳以上)に多い。 また、痛風では90%以上が男性であるが、本症では男女差はない。 膝関節や手関節によく認められます が、ほかに肩関節、足関節、 あるいは椎間板や黄色靱帯でも認められることがある。 治療:非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)を中心とする痛みを和らげる対症療法が中心。 偽痛風の診断基準などは、以下の慶応病院のサイトで確認 http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000722.html ![]() 偽痛風患者に認められるCPPD結晶の沈着に伴う半月板の石灰化像 http://www.med.jrc.or.jp/hospital/clinic/tabid/124/Default.aspx より ![]() 補正偏光顕微鏡により弱い正の複屈折性を示す三斜晶系、単斜晶系結晶 http://www.drfirooz.com/pseudogout-causes-symptoms-diagnosis-and-treatment/ より 痛風関係あれこれ
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