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What is this skin lesion?
58歳、女性。 左臀部に疼痛を伴う広汎な皮膚異常を来たし救急外来を受診。 下にその状態の写真を示す。 最近、心房細動と診断され近医で治療を開始したばかりとのことである。 他に、3年前から高血圧にて降圧剤も服用中である。 糖尿病歴なし。 生魚などの摂食、調理もしてないとのこと。 最も考えられる状態は以下のうち、どれか? ![]() a 薬剤性皮膚炎 b セザリー症候群 c ライム病 d ワーファリン誘発性皮膚壊死 e フルニエ症候群 解答:MOREへ スポンサーリンク 58歳、女性。 左臀部に疼痛を伴う広汎な皮膚異常を来たし救急外来を受診。 下にその状態の写真を示す。 最近、心房細動と診断され近医で治療を開始したばかりとのことである。 他に、3年前から高血圧にて降圧剤も服用中である。 糖尿病歴なし。 生魚などの摂食、調理もしてないとのこと。 最も考えられる状態は以下のうち、どれか? ![]() https://umem.org/educational_pearls/602/ から引用 a 薬剤性皮膚炎 b セザリー症候群 c ライム病 d ワーファリン誘発性皮膚壊死 e フルニエ症候群 正解: d ワーファリン誘発性皮膚壊死 この痛みと皮膚壊死病変から e フルニエ症候群も考えられるが、 糖尿病既往歴はなく、またビブリオ・バルニフィカスを持つ生魚との接触もないので否定的。 What a dreadful infection !参照非常に稀有な病態だが、最近Afに対するワーファリン治療を始めたらしいことが予想され、 d ワーファリン誘発性皮膚壊死 warfarin-induced skin necrosis が最も考えられる。 a 薬剤性皮膚炎 はもう少し全身的に出現するであろう。 b セザリー症候群は全身的に紅斑が出る。 このリンパ節腫脹は?悪性リンパ腫の病理組織像巨細胞関係の問題いろいろな巨細胞参照c ライム病で出現する遊走性紅斑とも違う。 ダニ媒介感染症参照ワーファリン誘発性皮膚壊死 http://www.asyura2.com/09/health15/msg/220.html 壊死は局所血栓に関係すると思われ、一般に抗凝血薬療法開始から数日以内に生じる。 重篤な壊死の症例では、壊死が生じた組織、肢、乳房または陰茎の切除または切断による治療が報告されている。 壊死の原因となる基礎疾患がないかを慎重に診断する必要がある。 壊死発生の原因としてwarfarinが疑われる場合にはwarfarin療法を中止する必要があり、 その際には抗凝血薬療法としてheparinの使用を検討する。 壊死に対し各種の治療が試みられているが、有効な治療法はみられていない。 発生機序: Warfarinの投与開始初期に一過性の過凝固状態になる場合がある。 このため微小血栓を生じ、皮膚や脂肪組織が壊死に陥る 1. Warfarin投与によってビタミンK依存性抗凝固因子のプロテインCが急激に産生抑制される。 2. 先天的な凝固抑制物質のアンチトロンビンⅢ欠損ないし異常を有しており、元来血栓をおこしやすい患者。 3. 先天的な凝固抑制物質のプロテインCやプロテインS欠損ないし異常を有し、元来血栓をおこしやすい患者。 4. 抗リン脂質抗体症候群の患者。 ![]() プロテインC(PC)は、アンチトロンビン(AT)同様に、体内に存在する重要な凝固阻止因子です。 PCは、トロンビン-トロンボモジュリン複合体によって活性化プロテインC(APC)に転換します(参考:トロンボモジュリン)。 そして、APCは、プロテインSを補酵素として、活性型第V因子(FVa)と活性型第VIII因子(FVIIIa)を不活化します。 先天性PC欠損症という先天性血栓性素因が知られています。 若くして、深部静脈血栓症や肺塞栓などの静脈血栓症を発症します。 先天性PC欠損症のホモ接合体の場合、なかなか生存することが困難なのですが、 新生児期に電撃性紫斑病(purpura fulminans)を発症することが知られています。 紫斑病とは言っても、病気の本態は出血ではなく、DIC(播種性血管内凝固症候群)と類似した著しい血栓傾向です。 PCが存在しないために、皮膚の微小循環レベルで血栓を多発します。そして、二次的に出血(紫斑)をきたします。 先天性PC欠損症のヘテロ接合体の場合は、新生児期に電撃性紫斑病を発症することはありませんが、 ワルファリン内服後に電撃性紫斑病の病態を来すことがあります(warfarin induced skin necrosis)。 その理由は以下の通りです。 1) ワーファリンの内服によってビタミンK依存性蛋白であるPCの活性が、低下します。 しかも、PCの半減期は6~8時間と短いために、PC活性は速やかに低下してしまいます。 2) 先天性PC欠損症(ヘテロ接合体)の場合、元来PCが半分しか存在していないために、 ワーファリンの内服によってPC活性は速やかに著減して0%に近づいてしまいます。 3) ワーファリンが抗凝固活性を発揮するためには、VII、IX、X、II因子(最も半減期の長いII因子まで)低下する必要があります。 4) 先天性PC欠損症(ヘテロ接合体)では、ワーファリン内服によりII因子が低下する前に (ワーファリンが十分な抗凝固活性を発揮する前に)、PCが著減するために、かえって血栓傾向が悪化するのです。 先天性PC欠損症(ヘテロ接合体)の患者さんでは、抗凝固療法治療薬であるワーファリン内服によって、 かえって血栓傾向が悪化するというのは皮肉な現象です。 しかし、先天性PC欠損症(ヘテロ接合体)の血栓症発症予防のための治療は、やはりワーファリンなのです。 それでは、どうすれば良いのでしょうか。 ワーファリンによって、VII、IX、X、II因子(最も半減期の長いII因子まで)低下すれば大丈夫です。 ですから、ワーファリン導入時が危ないと言えます。ワーファリン導入時にヘパリン類を併用することで、 電撃性紫斑病(warfarin induced skin necrosis)を回避することができます。 http://www.3nai.jp/weblog/entry/28806.html から 上記サイトは、凝固系、線溶系に関しては詳細に書かれています。 参考にしてください。 発生時期: ほとんどの場合、warfarinの投与開始3~6日以内に起こる。(3~10日以内との説もある) 発生部位: この副作用は女性に生じることが多い。 その発生部位は(脂肪組織に多く) 乳房>大腿部>臀部>脚の頻度である。 また、男性では胸や性器等で発生した報告がある。 副作用症状: 初期症状として有痛性の皮膚の紅斑や潮紅が現れる。 次に点状出血が生じ、出血性水疱、皮膚壊死、黒色変化、痂形成に進行する。 組織所見: 副作用発生部位の組織所見としては、フィブリン沈着を伴う微小血管に血栓が認められる。 処置方法: 確立している治療法はないが、大抵の場合、壊死部を切除し、同部に皮膚移植を行っている例が多い。 しかし、warfarinを中止し、ビタミンKの投与、プロスタサイクリンや、プレドニゾロンの投与で回復している例もある。 皮膚壊死治療後は次のような抗凝血薬療法が報告されている。 ・ Heparinに切り替える方法。 ・ Warfarin開始方法は少量投与法に変える。 (Warfarin再開初期はheparinを併用) 副作用防止の注意点: (1) Warfarinの投与開始前にプロテインC、プロテインSおよびアンチトロンビンⅢが正常か確認する。 (2) Warfarinは少量から投与を開始する。 (3) Warfarinの投与開始1週間は、この副作用発生に留意すること。 また、warfarinを何らかの理由で、一時中止し、再開した時も同様である。 |
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