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HIV感染者の採血後の針刺し事故への対応に関する問題。
現実的には焦りますね。


針刺し
http://blog.goo.ne.jp/docmmart/e/0b2c31ae507972f5fd16f7dfc9986cee


108回医師国試から

108-36

24 歳の男性。臨床研修医。
HIV 感染者の採血で用いた針を誤って自分の指に刺した。

同部位に出血はない。既往歴に特記すべきことはない。

投与が推奨されるのはどれか。

 

a  抗HIV

b  HIV ワクチン

c  免疫グロブリン

d  インターフェロン

e  副腎皮質ステロイド



解答はMOREをクリック

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解説



HIV感染者の針刺し事故 (http://www.acc.go.jp/doctor/eventSupport.html)

HIV曝露事故への対応を考える前提として、HIVはHBVやHCVと比較してその感染力は極めて弱く
針刺し事故において全く予防内服を行わなかった場合でも感染確率は0.3%程度であること、
世界的にも職業的曝露によるHIV感染が確実である例は少ない.

曝露後予防内服(Post-Exposure Prophylaxis; PEP)を全く行わない場合の感染率は、
針刺し事故の場合で0.3%(0.2-0.5%)、粘膜曝露の場合で0.09%(0.006-0.5%)とされている 。

2013年8月の米国ガイドラインの改訂3において、
PEPの適応となる場合には(「基本レジメン」「拡大レジメン」の場合分けを撤廃して)
3剤以上の抗HIV薬を併用することを推奨するという大きな変更が加えられた。

推奨薬剤は「ラルテグラビル(アイセントレス錠)」と「テノホビル+エムトリシタビン(ツルバダ錠)」
の組み合わせのみに単純化され、他に複数の組み合わせが代替レジメンとして記載されている。

厚生労働省研究班の抗HIV治療ガイドライン(2014年3月版)でも、
米国ガイドラインを紹介する形で多剤併用レジメンを推奨している。

ということで、


解答  a



他のウィルス 針刺し事故について

http://www.medicon.co.jp/views/showbin.php?id=38&type=73&.jpg



HBVの針刺し

医療従事者がHBs抗体を保持していれば(>10mIU/ml)、HBVに曝露したとしても感染の危険性はない。

しかし、HBs抗体を持っていなければHBVに感染する危険性が発生する。

この場合、曝露源の患者がHBs抗原およびHBe抗原に両方とも陽性であれば、
受傷した医療従事者が肝炎を発症する危険性は22~31%であり、
HBV感染の血清学的エビデンスがみられる危険性は37~62%である。

一方、
HBs抗原が陽性でもHBe抗原陰性の場合は医療従事者が肝炎を発症する危険性は1~6%であり、
HBV感染の血清学的エビデンスがみられる危険性は23~37%である※1。

従って、医療従事者にHBVワクチンの接種既往がない場合は、受傷後24時間以内にB型肝炎免疫グロブ
リン(HBIG:hepatitis B immune globulin)を注射し、同時にHBVワクチンコースを開始する※2。

HBVワクチンコースというのは3回接種(当日、1ヶ月後、6ヶ月後)することである。
曝露した医療従事者にHBVワクチンの接種既往があってもHBs抗体を獲得できなかった場合は「受傷後24時間以内と1ヶ月後にHBIGを注射する」もしくは「受傷後24時間以内にHBIGを注射して、同時にHBVワクチンコースを開始する」のどちらかを選択する※2。


HCVの針刺し

HCVにはHBVほどの感染力はない。

HCV感染血液での針刺しによるHCV抗体陽性化の平均頻度は1.8%(範囲:0~7%)であり、
中空の針による針刺しの場合のみで感染がみられたとの報告もある※3。

HCVの針刺しの場合、インターフェロンは曝露後予防としては用いられない。
インターフェロンは曝露後予防として有効であったという根拠がないばかりか、副作用が強い薬剤だからである。

実際、発熱と全身倦怠感が殆どの人にみられ、頭痛、筋肉痛、食欲不振なども高率に現れる。

また、白血球や血小板の著しい減少、糖尿病の悪化、重いうつ症状、甲状腺の異常、
間質性肺炎といった副作用もある。HCVの治療薬として用いられているリバビリンも曝露後予防では用いない。
やはり、副作用として溶血性貧血などがあるからである。

結局、HCVの針刺しで重要なことは曝露後予防ではなく、曝露者のフォローアップとなる。
この場合、最初に曝露者(受傷者)のHCV抗体およびGPT(ALT)のベースライン検査を実施する。

そして、HCV抗体およびGPT(ALT)によるフォローアップ検査(4~6ヶ月後)を施行する。
HCV感染を早期診断したいならば、HCV RNA検査を4~6週間目に施行してもよい※2。

HCVに感染した場合、HCV抗体は曝露後8~9週間が
経過して検出されるようになるが、HCV RNAは曝露後1~3週間ほどで血液中で検出されるからである。
後1~3週間ほどで血液中で検出されるからである。


※1) Werner BG, Grady GF. Accidental hepatitis-B-surface-antigen-positive inoculations:
use of e antigen to estimate infectivity. Ann Intern Med1982;97:367-9.
※2) U.S. Public Health Service. Guidelines for the management of occupational exposures
to HBV, HCV, and HIV and Recommendations for postexposure prophylaxis.
          http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/rr/rr5011.pdf
※3) Puro V, et al. Risk of hepatitis Cseroconversion after occupational exposure
in health care workers. Am JInfect Control 1995;23:273-7.



HIVについて (Wikipediaから引用改編)

エンベロープを持つプラス鎖の一本鎖RNAウイルスである
レトロウイルス科レンチウイルス属に属する。

前出のATLの起因virusであるHTLV-1のお仲間である。

以下の2つが存在する。

• HIV-1(Human Immunodeficiency Virus type1)

• HIV-2(Human Immunodeficiency Virus type2)


霊長類を自然宿主とするサル免疫不全ウイルス(Simian Immuno-deficiency Virus:SIV)が、
突然変異によってヒトへの感染性を獲得したと考えられている。

ウイルスの塩基配列を比較すると、「HIV-1」はチンパンジーから分離されたSIVcpzに近く、
「HIV-2」はマカクやマンガベーなどのサルから分離されたウイルスSIVmacやSIVsmmに近い。

以上から、SIVに感染したサルからヒトへと感染し、HIVに進化したと考えられている。

「HIV-1」と「HIV-2」の基本的な遺伝子の構造はほぼ同じであるが、
塩基配列の相同性は低く60%ほどであり、
最も大きな遺伝子の相違として、「HIV-1」にはvpuが、「HIV-2」にはvpxがそれぞれに存在し、
この相違はSIVcpzとSIVsmmの間にも見られることから、
「HIV-1」と「HIV-2」はそれぞれ独立した祖先から、
人間に感染する能力を持ったウイルスに進化したものと考えられている。

HIV-1

HIV-1は、塩基配列により以下の4つのグループに分類される。

Group M(Major)

世界的に分布しているウイルスの多くがグループMに属し、
A、B、C、D、E(後に組換え体であるCRF01_AEである事が判明 純粋なEは未発見)、
F、G、H、J、Kの10のサブタイプに分類される。
更にこのサブタイプ間での組換え体(CRF:circulating recombinant form)が存在し、15種類が確認されている。
日本での感染者の主なサブタイプは、サブタイプBとCRF01_AEであり、
サブタイプBがおよそ75%、CRF01_AEが20%、残りがその他のサブタイプとなっている。

Group O(Outlier)
西アフリカや中央アフリカで主に認められる。

Group N(non-M/non-O)
1998年にカメルーンでの感染者に発見された。

Group P(pending)

2009年、フランス在住のカメルーン人女性に、ゴリラ由来のHIV-1とみられる新種が発見された。

HIV-2

HIV-2感染は地域性があり、西アフリカ地域に集中的に認められ、他の地域での感染は低く、
日本でも報告されている感染者はまだ数名である。
A - Gの7のサブタイプに分類される。また構造的にNNRTIに耐性である。


HIVの構造

成熟したウイルスの形状は球状の粒子であり、直径は約100nmである。

球形の膜に囲まれた中心に、ウイルス遺伝子RNAとGAG蛋白質からなる核様体がある。

核様体はGAG蛋白質のマトリックス(MA)、カプシド(CA)、ヌクレオカプシド(NC)、2本のRNA、
プロテアーゼ(PR)、逆転写酵素(RT)、RNaseH(p15)、インテグラーゼ(IN)などのウイルス酵素群からなる、
正二十面体の結晶構造をしている。

ウイルスの表面はエンベロープ蛋白質(Ev)であるGp120及びGp41と、宿主細胞膜由来の膜蛋白質が主成分である。

非常に変異しやすいウイルスであり、ウイルスの表面抗原がそれぞれ違うといえるほど多種多様な型がある。
その為、ワクチンを作成する事は困難である。
特定の抗原に対して抗体を作ることが出来るワクチンを作成する事に成功したとしても、
すぐに変異ウイルスが出現してしまい、臨床で実用することが難しい。


HIV_Mature_and_Immature.png 


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2015/06/01 23:30 感染症・微生物学 TB(-) CM(0)
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