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酸素解離曲線の考え方

みーの医学: 

ヘモグロビンの酸素解離曲線の考え方 (2014-01-28 配信)


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酸素解離曲線とは,横軸に酸素分圧を,縦軸に酸素飽和度をとったグラフの曲線のことです.
一定の条件下でのヘモグロビンの酸素に対する親和性を示したものです.

酸素の供給

赤血球中のヘモグロビンは,肺で酸素化され末梢の組織で酸素を放出します.
肺の酸素分圧は高いのに対して組織の酸素分圧は低いので,
下の図のように酸素解離曲線に照らし合わせると,
酸素親和性の差分の酸素を肺から組織に運搬できることが分かります.

20151118140402.png


したがって,酸素解離曲線が単調増加関数であることが,酸素の運搬に重要なわけです.


酸素との親和性の変化

酸素の需要は組織によって異なるので,ヘモグロビンは組織の条件によって性質が変化します.
つまり,ヘモグロビンは温度やpHなど条件が変化すると,酸素に対する親和性が変化します.

親和性の変化は,酸素解離曲線の移動にあらわれます.

これを右方移動または左方移動と言います.

右方移動とは,曲線が右に移動することです.
横軸の酸素分圧が同じ場合(下図中央の縦線),右方移動すると酸素飽和度は下がり,酸素を放出します.

逆に左方移動すると酸素飽和度は上がり,よりたくさんの酸素と結合します.


20151118140407.png 


右方移動することによって酸素をより放出しやすくなります.

ということは,酸素がよりたくさん必要とされるような条件,
つまり細胞での酸素消費が亢進している条件で右方移動をするのが,酸素運搬のために合理的です.
実際ヘモグロビンはこのように振る舞います.


20151118140409.png
どのような条件ならば酸素消費量が亢進しているのだろうか?と考えればヘモグロビンの挙動が見えてきます.

•酸素消費が亢進すると二酸化炭素がたくさんできるので,二酸化炭素濃度が上昇している時です.
 二酸化炭素濃度が上がると酸性になるのでpHは低下しています.
 したがって,二酸化炭素分圧が上昇した時及びpHが低下した時に右方移動します.

•激しく運動をするとたくさん酸素消費をしますが,この時に体温が上昇します.
 したがって,温度の上昇によって右方移動します.

•嫌気呼吸によって生成する物質といえば乳酸と2,3-DPGですが,乳酸がたまれば酸性になります.
なので,pHが低下した時及び2,3-DPG濃度が上昇した時に右方移動します.

左方移動はこれらの逆です.

なお,2,3-DPGは,2,3-diphosphoglycerate(2,3-ジホスホグリセリン酸)ですが,
2,3-ビスホスホグリセリン酸(2,3-bisphosphoglycerate; 2,3-BPG)とも呼ばれますので,
試験で混乱しないように記憶してください.
ジもビスも,両方とも"2つ"という意味だからです.2,3-DPG = 2,3-BPG です.


胎児ヘモグロビン

胎児は胎盤を通じて母体の血液から酸素を得ますが,母体と同じヘモグロビンでは酸素を効率よく得ることができません.
そのため,胎児は母体よりも酸素親和性が高い「ヘモグロビンF」を発現しています.
Fは胎児の英語 fetus の頭文字です.

ヘモグロビンの酸素解離曲線の変化は非常に合理的なので,
以上のストーリーを記憶すれば,ほとんどの問題は解けるようになります.


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