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少し特殊なallergy

今日、病棟で似たようなアレルギーを呈した患者さんがいましたので、医師国試問題から探してみました。
歯科国試では、出題される分野ではないと思いますが、参考まで。


医師国家試験過去問データベース から



1) 107A40


107a40.jpg





2) 106D36



106d36.jpg



解答:MOREへ

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解答


1) 107A40


107a40.jpg



正解  b

theme: 食物依存性運動誘発アナフィラキシー

comments:
うどん(小麦製品)を食べた後、サッカー(運動)をし、その後前胸部のかゆみと失神がみられている。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーの典型的病歴であり、
スパゲッティーで症状がみられていることも診断を後押しする。

a 屋内でも屋外でも運動はリスクとなる。

b 正しい。空腹時にサッカーをしても異常はないわけであり、
    食直後の運動を避ければ症状を予防することが可能となる。

c 準備運動を行っても運動はリスクとなる。

d 意識消失を繰り返しているわけで、経過観察はできない。

e サッカー以外の種目でも運動はリスクとなる。


食物アレルギーにはアナフィラキシーショックと呼ばれる即時型(通常2時間以内)アレルギー反応と、
食後数時間~数日後に頭痛やめまい、腹痛、下痢、疲労感、アトピー様の皮膚疾患などの
症状が現れる遅発型フードアレルギーがあります。

最近ではプロテニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチ選手が、
小麦に含まれるグルテンによる遅発型食物アレルギーを公表して話題となりました。

また、まれにアレルギーの原因となる食べ物を食べてから数時間以内に運動することによって、
アレルギー反応が起こる食物依存性の運動誘発アナフィラキシーというアレルギー反応
があります。

http://timely-web.jp/article/397/



2) 106D36



106d36.jpg



正解  e

theme: 食物依存性運動誘発アナフィラキシー



食物依存性運動誘発アナフィラキシー


  1. 食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、比較的稀な疾患である。
  2. 発症機序はIgE依存性であり、食物アレルギーの特殊型に分類される。
  3. 好発初発年齢は中学・高校生から青年期である。
  4. 発症は食後2時間以内の運動負荷の場合が大部分である。
  5. 原因食物は、小麦製品と甲殻類が大部分である。また、発症時の運動は、負荷量の大きい種目が多い。
  6. 発症には「食物+運動負荷」にいくつかの増強因子が関与する。アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬は増強因子の一つである。
  7. 診断は、問診とアレルギー検査から原因食物を絞り込み、誘発試験を実施することが望ましい。
  8. 発症を防止可能な薬剤は確立していない。
  9. 患者と保護者への教育・指導と学校関係者などへの情報共有が重要である。

http://www.jspaci.jp/jpgfa2012/chap10.html


以下は、”救急医の挑戦 in 宮崎” http://ameblo.jp/bfgkh628/entry-10928726825.html 
というブログの記事からの抜粋です。


アレルギーにはいくつかtypeがあるのですが、Ⅰ型は即時型アレルギーとも言って1時間以内、
早いもので数分で蕁麻疹のようなアレルギー症状がでるものを言います。

しかしながらこの、『運動誘発性アナフィラキシー』は稀なものですので、
過度の心配は必要ありませんが知っておいたほうが良いでしょう。


文字どおり、『運動により誘発される強いアレルギー反応』なのですが、
何故このような事が起きるのかは良く分かっていません。
また、ここが大事なのですが、運動だけでは起こらないのです
そこに『食物』『気温』『湿度』『薬(解熱薬:NSAIDs)』『アルコール』『季節の変わり目』などの様々な因子が加わり、
引き起こされると言われています。


つまり単純に『運動が禁止』には必ずしもならないのです。運動を禁止するのは大変ですよね。


『運動』も勿論マラソンやテニス、ダンス、サイクリングといった活動的なスポーツとの関わり合いが強く指摘されていますが、
『散歩』のような軽い運動でも起こる場合もあるようです。


「運動以外の因子が何であるか」これが大事ではありますね。
薬であればそれを中止にすれば運動制限までは要りません。
しかしながらいろいろ調べたけど『原因は良くわからない』けど『いつも運動した後に蕁麻疹がでたり、
息苦しくなる』という人には『活動的な運動の制限』や
後述する『運動の6-8時間前に食物を摂取しないこと』が必要になってくるでしょう。


こういった『運動誘発性アナフィラキシー』の中で
特に『食物』を食べた後、数時間以内に運動して症状がでる人を
『食物依存性運動誘発性アナフィラキシー』と呼んでいます。


代表的な食べ物は『小麦』『エビ』ですが、
他にも『貝』『トマト』『ピーナッツ』『コーン』で報告されています。
また『果物』や『野菜』『米』『牛乳』『大豆』といった報告もあります。


ふたつの食べ物を組み合わせた時にだけ発症した場合や
食物と『薬』という組み合わせで発症する場合もあるようです。


また家族性で発症するケースも報告されています。


もし原因食物が特定されれば、もちろん『食べない』ことに越したことはないかもしれませんが、
運動する12時間前に食べないということが大事になります。

どの食べ物で起きたか分からない場合は先に述べた『気温』『季節の変わり目』
『薬』『湿度』などの可能性もありますが、
運動する6-8時間前には食べないというのが大事になります。


もちろん運動の強度も軽度のものにすればアレルギー反応を抑えられる可能性もあります

あとは、『エピペン』という携帯用の『エピネフリン自己注射器』という
アナフィラキシーを起こした時の皮下注射器を医師とよく相談して、
必要ならば処方してもらうことも大事になります。


最後になってしまいましたが、実は『運動誘発性アナフィラキシー』と、
とっても紛らわしい『コリン性蕁麻疹』というものもあります。
これは運動や入浴によって体温が上昇し発汗を伴う際に出現するものです。


蕁麻疹の形は2-4mm程度の点状蕁麻疹となるのが特徴です。
それに対して『運動誘発性アナフィラキシー』は大きな蕁麻疹となる点が鑑別のポイントです。
また、『運動により増悪する食物アレルギー』なるものもあるようですが
『運動しなければ食物を食べても問題ない』
のが運動誘発性アナフィラキシーですので、
それを証明することにより鑑別可能です。


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