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かず

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某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
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微生物学実践問題 2章から
問題内容:一部改編


2236033-L.jpg
http://www.semissourian.com/story/2142670.html



問題

問1
1月、66歳女性、38.9℃の発熱、寒気、頭痛、
顕著な疲労感あり。
医師はオセルタミビルを処方し、迅速に回復した。
彼女に感染した病原体は以下のうち、どれか。

A) コロナウィルス
B) インンフルエンザウィルス
C) パラインフルエンザウィルス
D) RS ウィルス
E) 帯状疱疹ウィルス


問2
オセルタミビルの作用機序は以下のうちどれか。

A) ウィルスゲノムの複製を阻害する。
B) 成熟したウィルス粒子の宿主細胞からの離脱を阻害する。
C) ウィルスの脱郭を阻害する。
D) ウィルスゲノムの核移行を阻害する。
E) ウィルス由来RNAポリメラーセの活性化領域に直接結合する。


問3
本ウィルスのワクチン接種は毎年必要である。
その理由はウィルスが変化することのあるが、
その変化に該当するものは以下のうちのどれか。

A) パラインフルエンザウィルスとの
    同時感染による新たな遺伝子の獲得
B) ウィルスのマトリックスタンパク質における抗原変異
C) エンべロープ融合タンパク質の発現レベルの変化
D) エンべロープ糖タンパク質の抗原変異
E) 動物とヒト由来株の間でのRNA鎖の再集合



解答はMOREをクリック

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解説と解答


問1

オセルタミビル(タミフル)で症状改善したので、
Flu(インフルエンザウィルス)感染であることは明らか。

正解: B



問2

インフルエンザウイルスのエンベロープは、
ウイルスが放出されるときに宿主となる細胞の細胞膜を獲得したもので、
その表面には10nm程度の長さの2種類のスパイクが存在しており、
それぞれヘマグルチニン(血球凝集素、HA)、
ノイラミニダーゼ(ニューラミニダーゼ、NA)と呼ばれる。

InfluenzaNomenclatureDiagram-jp.png
(Wikipediaから)

オセルタミビル(タミフル)は、
このノイラミニダーゼ (neuraminidase, NA) という酵素(糖タンパク質)
を阻害することで
インフルエンザウイルスの増殖を抑制することにより、
感染細胞からのウィルス放出を抑制する。

ということで、

正解:B


補足 (Wikipediaから)

1)タミフル

A型、B型インフルエンザウイルス(非耐性)に感染し、発症後48時間以内に投与すれば、
有意に罹患期間を短縮できる。
発症後、48時間以降に投与を開始した場合の有効性は確立していない。
これは、オセルタミビルはウイルスが新たに拡散するのを阻害する薬剤であって、
既に増殖したウイルスを失活させる効果がないからである。


2)A型・B型・C型の違い

A型、B型、C型の違いは、ウイルス粒子を構成するタンパク質のうち、
M1蛋白とNP蛋白の抗原性の違いに基づく。
また、これ以外にも病態的、形態的、遺伝子的にも違いがあり、
特にC型とA、B型とでは違いが大きい。


3)病原的な違い

A型、B型は毎年冬期(まれに春期)に流行を繰り返し、
多くの場合のヒトのインフルエンザの原因になる。

A型は特に内部での変異型が多く世界的な大流行を起こしやすい。
ウイルスに対する免疫の持続も短いと言われる。
ただしA型インフルエンザウイルスに分類されるもののうち、
ヒトに感染するものは少なく、残りは水鳥などの野生生物を宿主とする。

B型はA型に比べると流行の規模は小さいが、世界的・地域的な流行を毎年繰り返す。
B型は遺伝子がかなり安定しておりウイルスに対する免疫はA型よりは長く持続すると言われる。
ヒトだけを宿主とする。

C型は季節によらず4歳以下の小児に感染する。
ほとんどのヒトが乳幼児期に感染するが症状が現れないことも多く、
病態的にA、Bとの違いが大きいため、
C型インフルエンザという別の疾患として区別して扱われることが多い。
C型は遺伝子がほとんど変化しないので免疫は長期間に亘って持続し、
一度罹ると一生持続する場合も多い。ヒトだけを宿主とする。


問3

ウイルスの変異 (Wikipediaから)

A型インフルエンザウイルスは、ウイルスの中でも特に突然変異によって
変異型ウイルスが出現しやすいものの1つである。

インフルエンザウイルスが変異する場合、特に重要視されるのは
ヘマグルチニンとノイラミニダーゼの、2種類のスパイクタンパク質の変異である。

これらのスパイクタンパク質はウイルス粒子表面にあるため、
ヒトに感染したときに体内の抗体が結合して中和する標的(抗原)になるが、
ウイルスに変異が起こると過去の感染によって作られていた抗体と反応しなくなるため、
感染を起こしやすく、また重症化しやすくなる。

またヘマグルチニンが大きく変異すると、レセプターとの結合性が変わった結果として、
それまでヒトに感染しなかったトリや他の動物のウイルスがヒトに感染する場合もある。

この他、M2タンパク質の変異によって、抗ウイルス薬の1つであるアマンタジンに対する
耐性ウイルスの出現
も報告されている。

インフルエンザウイルスが変異を起こしやすい理由は、
他のウイルスと異なり突然変異のメカニズムを2つ持っているためである。
このメカニズムはそれぞれ連続変異、不連続変異と呼ばれる。


以上の説明から

正解は、

D) エンべロープ糖タンパク質の抗原変異



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2015/06/07 01:34 感染症・微生物学 TB(-) CM(0)
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