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口腔内感染症の諸問題

osteomyelitis-of-jaw-10-638.jpg 
http://www.slideshare.net/seepmaano/osteomyelitis-of-jaw


1)102歯A-59改
ペリクルで正しいのはどれか。正しいものをすべて選べ。

a. 歯質の脱灰を抑制する。
b. 厚さは約100μmである。
c. 形成に24時間程度を要する。
d. バイオフィルムの一種である。
e. Streptococcus属が優勢である。





2)107歯A-97 (既出)
デンタルプラークを細菌用寒天培地に播種し、5 %CO2 存在下で好気培養した。
得られたコロニーをグラム染色すると赤色の桿状菌を認めた。
考えられる菌はどれか。1 つ選べ。

a Actinomyces israelii
b Aggregatibacter actinomycetemcomitans
c Fusobacterium nucleatum
d Porphyromonas gingivalis
e Streptococcus sanguinis




3)新作
下顎骨骨髄炎患者において適切な初期治療法はどれか。すべて選べ。

a 腐骨除去術
b 抗菌薬の投与
c 高圧酸素治療
d 骨皮質除去術
e 大量洗浄


4)新作
若い男性に生じた歯性上顎洞炎患者。
labo data: WBC 9500/mm 3, CRP 1.3mg/dl.
早期に行うべき治療はどれが適切か?
すべて選べ。

a 洞内洗浄
b 抗菌薬投与
c 洞口腔閉鎖術
d 上顎洞炎根治術
e 保護床の装着


解答:MOREへ





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解答



1)102歯A-59改

ペリクルで正しいのはどれか。正しいものをすべて選べ。

a. 歯質の脱灰を抑制する。
b. 厚さは約100μmである。
c. 形成に24時間程度を要する。
d. バイオフィルムの一種である。
e. Streptococcus属が優勢である。

ペリクル(獲得被膜)
http://minna-shigaku.com/category19/entry13.html

ペリクル(pellicle)は、歯の付着物の一種です。
歯面全体を覆っている、被膜と言うことができます。

また、ブラッシングをして数分後には、既に形成されています。
つまり、私たちの歯には、絶えずペリクルが存在しているのです。

そんなペリクルは、歯垢と混同されがちですが、別物です。
歯垢との違いは、構成されている成分を見るとわかります。

・無細胞で、無構造の有機質被膜から成る
・唾液由来の糖たんぱく質から成る
・アミノ酸組成 → グリシン、セリン、グルタミン酸が40%を占める
・タンパク質 → アミラーゼ、リゾチーム、IgA → 典型的な唾液タンパク質
・厚さは0.1~10μm前後

 

ペリクルには、細菌が含まれていないというのがポイントです。
ここに、細菌が住み着き、細菌叢が形成されていくと、プラークへと発展していきます。
つまり、ペリクルとはプラークが形成される土台と言うことができます。

ペリクルは、粘性が高く、細菌や食べカスなどを吸着しやすい性質を持っています。
そうしたペリクルの性質は、歯面への有害作用と防御作用の両方を生み出します。


ペリクルの特徴
http://minna-shigaku.com/category34/category42/entry259.html
 から引用

ポイント1:ペリクルには細菌が含まれていない
ペリクルは歯垢と混同されがちですが、大きな違いがあります。
それは、細菌が含まれているか否かです。

ペリクルとは、非細菌性の有機性薄膜です。
ですので、前提としてストレプトコッカスのような細菌は含まれていません。

バイオフィルムとも混同しないよう、注意しましょう。

ただし、歯垢形成の素地となることは間違いありません。

・ペリクルは非細菌性の薄膜
・歯垢形成の素地となる



ポイント2:ペリクルの成分

ペリクルは、唾液由来の糖タンパクによって構成されています。
具体的には、ムチン、高プロリン糖タンパクといった物質です。
厚さは0.1~10μmです。
エナメル質に唾液が触れてから、数時間で形成が完了します。

・唾液由来の糖タンパク
・厚さは0.1~10μm
・数時間で形成完了


ポイント3:歯質の脱灰を抑制

ペリクルは、エナメル質表面に膜を張ることで、歯質の脱灰を抑制します。
被膜によって、エナメル質からの無機質の放出が抑制されるためです。

・脱灰の抑制
・無機質の放出を防ぐ


正解 a


2)107歯A-97 (既出)
デンタルプラークを細菌用寒天培地に播種し、5 %CO2 存在下で好気培養した。
得られたコロニーをグラム染色すると赤色の桿状菌を認めた。
考えられる菌はどれか。1 つ選べ。

a Actinomyces israelii
b Aggregatibacter actinomycetemcomitans
c Fusobacterium nucleatum
d Porphyromonas gingivalis
e Streptococcus sanguinis


口腔内細菌

参照


好気性ないし通性嫌気性のグラム陰性桿菌(グラム染色で赤色)を選ぶという問題か?
言い換えれば、歯肉縁上プラークのうちグラム陰性桿菌を選ぶという問題。

a Actinomyces israelii
放線菌類、グラム陽性嫌気性桿菌、口腔内常在菌

b Aggregatibacter actinomycetemcomitans ○
ヒトの口腔内に片利共生しており、歯周病の一種である侵襲性歯周炎(en)の原因菌。
パスツレラ科;グラム陰性通性嫌気性桿菌

c Fusobacterium nucleatum ×
偏性嫌気性グラム陰性桿菌

d Porphyromonas gingivalis ×
偏性嫌気性グラム陰性桿菌

e Streptococcus sanguinis ×
グラム陽性球菌


3)新作
下顎骨骨髄炎患者において適切な初期治療法はどれか。すべて選べ。

a 腐骨除去術
b 抗菌薬の投与
c 高圧酸素治療
d 骨皮質除去術
e 大量洗浄

正解 abcde

要するに感染、骨髄炎に対する初期、早期治療の基本ストラテジー
切開排膿
デブリードマン(汚染物や壊死物除去、洗浄 copious irrigation)
適切な抗菌剤投与
嫌気性菌であれば、高圧酸素治療 (hyperbaric oxygen therapy; HBO)


4)新作
若い男性に生じた歯性上顎洞炎患者。
labo data: WBC 9500/mm 3, CRP 1.3mg/dl.
早期に行うべき治療はどれが適切か?
すべて選べ。

a 洞内洗浄
b 抗菌薬投与
c 洞口腔閉鎖術
d 上顎洞炎根治術
e 保護床の装着

正解 abe

c:閉鎖すれば膿がたまり逆効果
d:根治術は感染が治まった後に行うこと
早期治療はabeとなる。






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2016/08/10 06:00 微生物:歯科 TB(-) CM(0)
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