クラウンブリッジ ポイント40!(2)
ロムニー配信36号から引用改編
11 一部被覆冠の特徴
利点
・歯質削除量が少ない
欠点
・印象採得が難しい
・維持力が小さい
・2次齲蝕になりやすい
・金属の露出が「切端」「隣接面」にある
12 プロキシマルハーフクラウン
・臼歯の隣接面の近遠心の片方を被覆する
・被覆されなかった方には鳩尾形を付与
・頬舌面には縦溝をいれる
・特に適応なるのは『下顎大臼歯』の近心傾斜しているもの!
13 マージン形態(支台歯の辺縁形態)
全部被覆冠 | ナイフエッジ、シャンファー |
前装冠 | 唇側:ショルダー、ヘビー(ディープ)シャンファー |
| 舌側:ナイフエッジ、シャンファー |
ジャケットクラウン | ショルダー、ヘビー(ディープ)シャンファー |
オールセラミッククラウン | ショルダー、ヘビー(ディープ)シャンファー |
14 歯冠高径が低い時の対応は?
・補助的保持形態(ピン、グルーブなど)の付与!
・咬合面は逆屋根型にする
・軸面面積を広くとる
・軸面のテーパーを小さくする
・対合歯とのクリアランスは1~1.5mm 程度
15 ポンティック(重要部分を抜粋)
| 適応する部位 | 特徴 |
オベイト型 | 上顎前歯 | ・審美性、舌感が良い |
有根型 | | ・審美性、舌感が良い |
| | ・即時ブリッジ用 |
鞍状型 | | ・可撤型ブリッジ用 |
リッジラップ型 | 上顎全て | |
船底型 | 下顎全て | |
偏側型 | 下顎臼歯以外! | ・半自浄型の中では最も |
離底型 | 下顎臼歯 | |
| | ・唯一の自浄型 |
| | (自浄性が最もよい) |
| | ・審美性、舌感が悪い |
| | |
非自浄型 | | |
半自浄型 | | |
自浄型 | | |
図:ポンティック基底面形態の種類 クラウンブリッジ補綴学 第4版より改変
A:偏側型、B:リッジラップ、C:有根型(オベイト型)、D:離底型、E:船底型、F:鞍状型、G:有床型
■偏側型ポンティック
ポンティック基底面の頬(唇)側縁を顎堤に接触させ、舌側面に向かって三角形の空隙をつくりながら離れていく形態である。
装着感がやや劣る。
■リッジラップ型ポンティック
ポンティック基底面の頬(唇)側頂部に顎堤粘膜と線状に接触し、
さらに舌側に向かって歯槽頂部まで幅をもって接するため、
接触面はT字型を呈する。審美性と装着感に優れる。
■オベイト型ポンティック(有根型ポンティック)
粘膜接触型ポンティックの1つであり、
これは凸面状の基底面が顎堤粘膜の陥凹部に入りこむため審美性に優れる。
顎堤粘膜に陥凹部を形成するための補綴前外科処置を必要とする。
基底面の清浄性をたもつよう十分注意する必要がある。
■離底型ポンティック
ポンティック基底面が顎堤粘膜から2~3mm以上離れることにより、
プラークの為害性が直接歯周組織に及ばないようにした形態である。装着感と審美性の点で劣る。
■船底型ポンティック
ポンティック基底面が船底型あるいは楕円型で、
その頂部が顎堤粘膜と線状あるいは点状に接触する形態である。
■鞍状型ポンティック
ポンティック基底面が顎堤粘膜に鞍状に広く接し、審美性と装着感に優れた形態である。
しかし、清浄性を保てないため、使用は可撤性ブリッジ適応を前提に審美性の改善が期待できる。
■有床型ポンティック
ポンティック基底面が床形態を有し、顎堤粘膜を広く覆う形態である。
歯の喪失に伴って歯槽骨が大きく吸収した場合など、
可撤性ブリッジの適応を前提に審美性の改善が期待できる。
http://www.oralstudio.net/stepup/hotetsu/hote009_002.php 参考に
16 オベイト型
・自浄性が悪いため、プラークが付着しやすい!
➡そのため、プラークの付着を防ぐために基底面には「陶材」を利用!(レジン前装冠ではNG)
・歯冠乳頭の形態回復に優れる
・補綴前処置が必要になる➡治癒した抜歯窩を歯肉形成する(陥没させるため)
http://www.jdstudio.jp/case/cat126/
17 冠連結の効果
・維持力の増加
・咬合力の分散
・支台歯の挺出
・食片圧入の防止
18 接着性ブリッジ
利点
・歯質の削除量が少ない
・歯肉圧排が不要
特徴
・必ず「接着性レジンセメント」で装着する
・補助的保持形態を付与する
適応
・1~2歯の欠損まで(適応範囲は少ない)
・マージンは歯肉縁上➡歯肉圧排が不要
内面処理
・サンドブラスト
用いる金属
・Co-Cr、Ni-Ti、Type4 金合金、金銀パラジウム合金
19 キー&キーウェイの試適の順番
まず、キーウェイ(凹)を試適し、次にキー(凸)を試適する。
20 開口時の偏位について
・右側のクローズドロックのケース
➡開口時に右側に偏位する
➡左側方運動に制限がある
・最大開口時に「正中」に戻るケース
➡筋に異常がないということがわかる
・開口時に右側に偏位したケース
➡右の顎間節、顆頭に問題がある
➡左側側方運動に制限がある
➡ゴシックアーチでは、『短い』ほうが制限がかかっている証
21 補綴治療前の「歯の挺出」の意義
・帯環効果の獲得
・付着歯肉の獲得
★歯の挺出以外にも歯槽骨を削除する場合もある。
22 支台歯同士の平行性がない時の対応
1つ目の対応:MTM(小矯正)でアップライトをし、位置を是正する
2つ目の対応:傾斜している歯を削って、平行にする
➡ただし、過剰に削ることになり、露髄を招くリスク!➡よって、予め抜髄をする!
23 高速切削の利点
・振動が少ない
・切削圧が小さい
・切削時間が短い
24 支台歯形成のポイント
・片側の軸面テーパーは2~5度
➡テーパーを大きくすると「維持力」が低下する。一方、浮き上がりは減る!
(合着材の流れが良くなるため)
・支台歯の高径が高くなると維持力は増加するため、その分テーパーは大きくできる。
25 ポストの決まり
・長さ:歯根長の1/2~2/3 くらい
:歯冠長と同じ、あるいはそれ以上
・太さ:歯根幅の1/3 くらい
・ポスト孔の平行性は「根管が複数ある間接支台築造」の場合で求められる。
・シリコーン印象は「スクリューバー」「レンツロ」を併用する。(寒天印象するときはラジアルピンを併用)
26 築造
・直接法は「アンダーカットを気にする必要がない」ため、歯質削除量が少ない
27 レジンと室温
レジンは室温が高いと硬化が促進する
➡よって、作業スピードを高める
27 レジンと室温
レジンは室温が高いと硬化が促進する
➡よって、作業スピードを高める
28 歯肉圧排
・綿糸を挿入する(ストッピングを用いることもある)
・綿糸は歯肉溝よりもやや太めのものを用いる
29 フィニッシュライン
しばしば、「フィニッシュラインの修正」という選択肢を選ぶ癖のある人がいるが、これを改善するためには、
『支台歯形成』を再度行う必要がある。
したがって、それ以外のやり方で修正できるものではない!
30 インタークルーザルレコード(顎間関係の記録)
採得した後に、トリミングをする意味は? ➡ 模型の浮き上がりを防ぐ
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