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食中毒 (106-109医師国試)
医師国家試験過去問データベース から 1)108I15 ![]() 2)109D55 ![]() 3)109I31 ![]() 4)107A34 ![]() 5)107D57 ![]() 6)106I52 ![]() 7)108I16 ![]() 解答:MOREへ スポンサーリンク 1)108I15 ![]() answer: c theme: 感染症と原因菌 comment: a Waterhouse-Friderichsen症候群はNeisseria meningitidis〈髄膜炎菌〉の感染により、副腎不全を呈する。 b 偽膜性腸炎は抗菌薬投与下に起こる菌交代現象により、 Clostridium difficile〈ディフィシル菌〉が偽膜を形成する。 c 誤り。細菌性赤痢はShigella spp.〈赤痢菌〉の感染による。サルモネラ感染ではない。 d 院内肺炎の代表的な起炎菌としてPseudomonas aeruginosa〈緑膿菌〉がある。 e Vibrio parahaemolyticus〈腸炎ビブリオ〉は魚介類の食中毒として有名。 2)109D55 ![]() answer: a,c theme: 溶血性尿毒症症候群〈HUS:hemolytic-uremic syndrome> comments: 家族全員に症状があり、食中毒が考えられる。焼肉を食べて血便、 のパターンではカンピロバクターや病原性大腸菌の感染を疑う。 本患者では腎障害もみられているため、 腸管出血性大腸菌の感染が考えられる。 腸管出血性大腸菌の感染では溶血性尿毒症症候群〈HUS〉を合併する。 a 正しい。溶血により、LDは上昇する。 b 血栓を形成し、血小板は低下する。 c 正しい。腎障害により、クレアチニンは上昇する。 d 溶血により、直接ではなく間接ビリルビンが上昇する。 e 補体低値となる腎疾患は急性糸球体腎炎や膜性増殖性腎炎〈MPGN〉などである。 HUSの病態 典型的なHUSは主として小児に発症し、腸管出血性大腸菌(O157など)や赤痢菌に感染した際、 菌の出すベロ毒素が腎臓の毛細血管内皮細胞を破壊してそこを通過する赤血球を破壊することで溶血がおき、 並行して急性腎不全となり、尿毒症を発症する。 成人では、 HIV感染、抗リン脂質抗体症候群、分娩後腎不全、悪性高血圧、全身性強皮症、 抗がん剤治療(マイトマイシン、シクロスポリン、シスプラチン、ブレオマイシンなど) などにまれに合併することがある。 家族性HUSと呼ばれるものもあり、HUSの症例の5 - 10%を占める。 これは主として補体タンパクのうちH因子、I因子、 membrane cofactor protein の変異によるもので、 補体系の制御不能な活性化を起こし、再発性の血栓症により高致死率となる。 3)109I31 ![]() answer: e theme: 食中毒・ジャガイモの新芽 comments: a 山菜である。特に食中毒の原因とはならない。 b 完熟していないトマトであっても、特に食中毒の原因とはならない。 c 芽キャベツにはいくつかの品種があるも、いずれも食中毒の原因とはならない。 d 大豆がもやしになる前、芽が出たばかりの状態のものである。 特に食中毒の原因とはならない。 e 正しい。ジャガイモの新芽に含まれる、ソラニンやチャコニンといった天然毒素が食中毒の原因となる。 ※bにも「芽」のつく選択肢をもってきて統一感を出して欲しかった問題。 筆者であれば「発芽玄米」や「にんにくの芽」あたりにするだろうか。 4)107A34 ![]() answer: d theme: 細菌性食中毒 comments: 夕食の4時間後に腹痛と下痢が出現しており、その潜伏期の短さからは おにぎりによる黄色ブドウ球菌感染が最も考えやすい。 砂利道で転倒して挫創が生じていたり、自分で採取・捕獲した山菜や川魚を摂取していたり、 と出題者としてはゆさぶりをかけたつもりなのかもしれないが陳腐な問題である。 a 缶詰からの亜鉛中毒、ということであろうか。強引に過ぎる。 b 山菜に農薬が散布されていた、ということであろうか。強引に過ぎる。 c 塩焼きまでした川魚にアニサキスが残存していた、ということであろうか。強引に過ぎる。 d 正しい。上記より、細菌性食中毒(特に黄色ブドウ球菌によるもの)が考えやすい。 e 日本酒1合で急性アルコール中毒に至った、ということであろうか。 そもそも腹痛と下痢をみないし、意識障害もみられるだろう。強引に過ぎる。 5)107D57 ![]() answer: a,e theme: 食中毒 comments: バーベキューパーティーで鶏肉を食べた後に血便がみられているため、食中毒を考える。 同様の症状を訴えている少年がいることも矛盾しない。 潜伏期がおよそ24時間であること、鶏肉が原因となったこと、血便がみられていること、 などから選択肢を絞り込んでいく。 a・e 正しい。サルモネラやカンピロバクターによる食中毒に合致する所見である。 b 白色便をみる。 c 水様性下痢をみる。 d 握り飯や弁当が原因となり、かつ潜伏期が数時間とかなり短い。また、血便をみない。 代表的な食中毒(Wikipedia) 食中毒には数多くの原因菌などがあるがその中の代表的なものを以下に示す。 2006年度は、患者数別では、ノロウイルス、カンピロバクター、サルモネラ属菌の順であり、 この3種が8割を占めた(厚生労働省 2007)。 1)細菌性食中毒 A) 毒素型 細菌産生毒素の生理活性による食中毒。 食品摂取時点で細菌類が不活化していても発症するため、 抗生物質は不効。 毒素が熱分解に弱い場合には加熱により不活化する。 黄色ブドウ球菌 - おにぎり、すし、おつくり。皮膚常在菌が食品へ移行し食品表面で増殖、毒素を産生する。 潜伏期間が短く1-5時間、耐熱性毒素のため調理加熱程度で不活化できない。 耐熱性毒素ST(エンテロトキシンの一種)による。 ボツリヌス菌 - 発酵食品、いずし類、真空パック食品、キャビアの瓶詰め、ソーセージ。 毒素型としては潜伏期間が長く、12〜36時間で症状が出る事が多い。 ものが飲み込みにくくなったり、 発音がうまくできなくなるなどの神経症状(筋肉が麻痺するため)を引き起こす。 ボツリヌス毒素自体は熱分解しやすい。 また酸性(pH 4.5以下)に保つことで毒素の生産を抑えることができる。 食中毒の初報告は独・腸詰め(ソーセージ)。 B) 感染型 感染により体内増殖した細菌が病原性をもつことにより発症する。 腸炎ビブリオ - 夏期の未加熱魚介類、刺身、シラスなどから感染することが多い。 調理器具などを介した2次汚染で他の食品が食中毒の原因になることもある。 海水の常在菌で、食塩濃度0.5〜10%で生育。 塩分の無い水道水などでは生存できない。海水温度が高いほど菌密度が高くなる。 発生ピークは6-10月。 サルモネラ属菌(腸チフス・パラチフスは除く) - 内臓肉、鶏卵、鳥肉 -> 特に夏期の自家製マヨネーズ、アイスクリーム。 カンピロバクター、カンピロバクター症 - 牛・豚・鶏肉、鶏卵、生乳、牛刺し、レバ刺し、馬刺し、生ユッケ。 家畜・家禽類の常在菌であるため、その生食にリスクがある。特に鶏肉の加熱不十分が原因となることが多い。 潜伏期間が2〜11日と長い。 近年、鶏肉の生食と関連するギラン・バレー症候群が注目されている。 特に予後不良例が多いことが報告され、焼き鳥のレアを回避するよう注意喚起がなされている。 病原性大腸菌 - 原因食品の傾向をつかみにくい。病原性を呈する大腸菌群全体を示す。 →腸内での増殖、毒素産生をもつことから中間型に分類する諸家もいる。 腸管出血性大腸菌O157(感染症法3類)がきわめて有名だが、感染症扱い。 また、感染症にひきつづくベロ毒素(O111, O26他)による合併症TTP, 溶血性尿毒症症候群(HUS)も、 用語としては一般的に「食中毒」として取り扱わない。 接触感染することから、二次感染症との識別が極めて難しい。 リステリア属菌 - 食肉加工食品、生乳製品。 潜伏期間は平均すると数十時間とされているが、患者の健康状態、摂取菌量、 菌株の種類の違いにより発症するまでの期間は大きく左右されると考えられるため、 その幅は数時間から数週間と長く、原因食品の特定が困難な場合もある。 主に、胃腸炎症状。 まれにインフルエンザ様症状。重篤な場合、脳脊髄膜炎などの神経系統症状。 母子垂直感染による流産。 C) 中間型 毒素型、感染型両方の中毒を起こす。 ウェルシュ菌 - 学校給食、料理作り置きなど保冷=解凍サイクルに乗じて増殖する。 加熱調理・煮込み課程において不活化を免れた芽胞が保冷サイクルにおいても生存し、 解凍時の加熱によって食品内で増殖する。 経口時までに活性量の芽胞・菌体量が確保されることにより体内に侵入、 消化刺激から芽胞を形成するときにエンテロトキシンを生成し発症する。 芽胞+, 耐熱性 潜伏期間8-24時間 セレウス菌 - 土壌、水中、空気中など自然界に広く分布する。 芽胞は100℃ 10分の条件でも不活化されず、加熱後においても芽胞を形成し体内に侵入、 下痢・嘔吐等の発症にいたる。 酸性では増殖しにくい. D) 型不明 エルシニア菌 - エルシニア属菌 (Yersinia) による食中毒をエルシニア感染症 (Yersiniosis) またはエルシニア食中毒という。 おもに食中毒の原因になるのはYersinia.enterocoliticaである。 Y.enterocoliticaは海水中に生息する細菌だが、他にもいろいろな場所で生存できる。 感染源は水、ミルク、魚介類、果物、野菜など。2 8〜30℃が生育至適温度だが、0℃でも増殖できるものがある[8]。 2) ウイルス性食中毒 ノロウイルス - ノロウイルス感染症を引き起こす小型のウィルス粒子の属名。 例えばノーウォークウイルスなどがノロウィルス属に含まれる。 直接ヒトからヒトに、また飲食物を介してヒトからヒトに感染する。 潜伏期間は1〜2日で、激しい下痢と嘔吐が主な症状。 感染性が非常に強い。老人ホームなど高齢者の集まる所で蔓延した場合、多数の死者を出しうる。 ロタウイルス - 抗原性によりA群からG群に分類され、ヒトに感染するのはA, B, C群である。 A群は乳幼児下痢症の原因ウイルスとして重要。B群は成人に激しい下痢を引き起こす. A型肝炎ウイルス E型肝炎ウイルス - 野生動物肉や狩猟肉(fr:gibier、en:game meat)喫食に起因する急性肝炎を起こすことがある。 3)化学性食中毒 アレルギー様食中毒 ヒスタミンやアミン 発症例はマグロ、カジキ、サバが多く鮮度の落ちた魚、 チーズ、発酵食品、腐敗した食品などが原因となる。 また、キノコなどの食材自体の腐敗により生成される場合もある。 加熱調理用としてイカ、サバ、マグロ、ブリなどを常温で保管した場合、 ヒスタミンが食物中に蓄積するが、調理の加熱ではヒスタミンは分解されず、摂食により発症する。 ヒスタミンが原因物質となっているため、胃腸炎の他に頭痛、発疹などの症状を呈し、 発症までの時間は20分程度と短い場合もある。 ヒスタミン生産菌のProteus morganiiなどにより汚染された魚(鮮度の落ちた魚)には多量のヒスチジンが存在し、 このヒスチジンが脱炭酸化によりヒスタミンに変化する。 サバでは温度5℃5日間の保存で、官能的に腐敗臭を感じない状態でも、 ヒスタミン量が中毒の閾値をこえる場合もあるが、中毒症状を発生させる閾値(濃度)は、 多数の変動要因があり明らかになっていない。 4)自然毒食中毒 植物性自然毒 高等植物 アルカロイド類 チョウセンアサガオ、バイケイソウ類、トリカブト類(蜂蜜)、 ジャガイモ、ヤマゴボウ類など 青酸配糖体 青梅 トリテルペン類 ウリ科植物(ヘチマ、ヒョウタン) シュウ酸カルシウム サトイモ科(マムシグサ、クワズイモ) 菌類(有毒キノコ) ※分類学的にはキノコは植物に分類されないが、 厚生労働省は食中毒の分類に於いて『植物性』に分類している。 症状により胃腸型、コレラ型、脳症状型、神経症状型、特殊型に分類される。 動物性自然毒 毒化動物 魚類(フグ)、貝類(貝毒):テトロドトキシン、サキシトキシン、シガトキシン、オカダ酸など 5)寄生虫食中毒 喫食した食物中に存在している寄生虫が体内で増殖、或いは体内を移動することによる 寄生虫、原虫 ジストマ、有鉤嚢虫、無鉤条虫、粘液胞子虫(ヒラメ、マグロなど、 住肉胞子虫(生馬肉)、アニサキス属、クリプトスポリジウム、ランブル鞭毛虫(ジアルジア症)など 6)その他食中毒 カビ毒( - カビが産生する毒素が原因となる食中毒で、 消化器症状だけで無く発癌性、肝毒性、腎毒 性、不妊、流産など様々な臓器に影響を与える。 また、急性〜慢性まで様々な症状を呈する。 マイコトキシン:アフラトキシン、オクラトキシン、パツリンなど 6)106I52 ![]() answer: c theme: 黄色ブドウ球菌性食中毒 4)と同様に、 夕食の3時間後に嘔吐と下痢が出現しており、その潜伏期の短さからは おにぎりによる黄色ブドウ球菌感染が最も考えやすい。 細菌性感染型食中毒 ![]() 細菌性毒素型食中毒 ![]() http://www.kao.co.jp/pro/food_poisoning/bacteria/ H27年度 原因別食中毒発生率
患者数:1位 カンピロバクター 2位 サルモネラ属菌 3位 ブドウ球菌 7)108I16件数 :1位 カンピロバクター 2位 ブドウ球菌 3位 サルモネラ属菌 ![]() answer: a theme: ボツリヌス中毒 comment: ボツリヌス中毒により神経筋接合部〈NMJ〉におけるアセチルコリン放出が阻害される。 アセチルコリンは副交感神経系の神経伝達物質であるため、 これが阻害されることで相対的に交感神経が優位となる。 a 誤り。散瞳をみる。 b 動眼神経麻痺により上眼瞼挙筋が機能低下し、眼瞼下垂をきたす。 c 動眼神経麻痺により内側直筋が機能低下し、輻湊障害をきたす。 d 動眼神経麻痺により対光反射が消失する。 e 動眼神経麻痺により外眼筋が機能低下し、眼球頭反射が消失する。 |
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