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摂食嚥下・高齢者の5 問(ロムニーから)
ロムニー配信40号から転用改編 問1 高齢者の基本的日常生活動作を評価する 「機能的自立度評価表(FIM)」の評価項目はどれか。2 つ選べ。 (歯科衛生士国家試験から!) A 買い物をしている B 着替えをしている C 薬を服用している D ベッドへ移乗している 問2 次のうち、ADL の評価に含まれるものはどれか。1つ選べ。 A 洗濯 B 歯磨き C 買い物 D 階段昇降 E 食事の準備 問3 高齢者総合機能評価(CGA)に含まれない内容はどれか。1 つ選べ。 A 意欲 B 認知機能 C 情緒と気分 D バイタルサイン E 手段的日常生活動作(IADL) 問4 経鼻経管栄養法の特徴で正しいのはどれか。2 つ選べ。 A 外観が悪い B 長期管理ができる C 嚥下機能に影響がない D 使用期間は半年以内とする E 経管栄養の開始時には行わない 問5 栄養摂取法について正しいのはどれか。 A 経口摂取が不可能な場合、栄養素の補給はできない B 経皮内視鏡的胃瘻造設術は、経静脈栄養に用いる C 経静脈栄養は、経管栄養に比べて代謝上の合併症は少ない D 経静脈栄養は、経管栄養に比べてバクテリアルトランスロケーションを起こしやすい E 経静脈栄養が1 ヶ月に及ぶ場合、末梢静脈栄養を選択する 関連記事: “胃瘻”に関する問題栄養評価解答:MOREへ スポンサーリンク 問1 高齢者の基本的日常生活動作を評価する 「機能的自立度評価表(FIM)」の評価項目はどれか。2 つ選べ。 A 買い物をしている B 着替えをしている C 薬を服用している D ベッドへ移乗している 正解 BD 選択肢が4 つの理由から分かる通り、この問題は衛生士国家試験に出題された問題です。 この問題のような2 つ選べの場合、歯科医師国家試験の場合は、 5 つのうちの「2 つ」とグループ分けをしやすい傾向にあるものの、 選択肢が4 つに絞られている衛生士国家試験の場合は、 共通の2 つの事項を選択することが困難であり、難易度は 高いと考えられます。 さて、今回の問題文にある「機能的自立度評価表(FIM)」、 これは聞きなれない方もいるかもしれませんが、衛生士国家試験に出ている以上、 いつ歯科医師国家試験に出てもおかしくない用語です。 簡単に言うと、ADL の評価法の1つです。 ADL とはActivities of Daily Living:「日常生活動作」を表し、次の項目がありましたね。 ・移乗、歩行、階段昇降 ・食事、入浴、排尿 ・更衣、整容 など これらは全て、生きる上で絶対に不可欠な行動 だと分かります。 「整容」というのは「身なりを整える事」(髭を剃る、歯を磨く、顔を洗うなど)です。 ★ただし、注意していただきたいのは、ADL の中に「整容」は含まれるものの、 「髭を剃る」「歯を磨く」「顔を洗う」という具体的な概念は含まれていません。 したがって、国家試験では「整容」を選択するようにしましょう。 そして、このADL の評価をする方法として『FIM』(機能的自立度評価表)というものがあります。 選択肢を見ていただくと分かりますが、 A 買い物をしている B 着替えをしている C 薬を服用している D ベッドへ移乗している 全て「~している」で統一されています。 これはFIM の評価軸が「ADL を『している』」という評価方法のためです。 FIMについて FIMは運動項目(motor items)13項目と、 認知項目(cognitive items)5項目の計18項目からなります。 ![]() これらの項目を1~7点で採点するのですが、誰でも採点できるというものの、ある程度の知識が必要になります。 採点方法は以下のようになっています。 ![]() とは言え、どれくらい対象者ができているかを評価するのは大変ですね。 簡単にですが、以下に採点方法の基準を記載します。 運動項目の採点基準 7点・6点の場合は自分だけで行っている場合の得点 5~1点は誰かその場についている得点です。 まずはその動作を行うときに誰かがいるかいないかで二分します。 運動項目7点と6点 7点は正常な場合です。 6点は何か補助具を使用または安全性や時間が普通と比べ要す場合です。 (基準では3倍程度の時間を要す場合) 運動項目5点 5点は介助者がいるものの、動作自体は自分で行う場合です。 例えば、監視や助言をしたり、動作を行うときの準備をしたりすることが該当します。 運動項目4~1点 上記の表のように自分でしている程度と介助をしてもらっている程度で採点します。 認知項目の採点基準 大枠は運動項目の採点と同様ですが、多少ニュアンスが異なります。 それは自立であっても、話しかける相手として誰かがその場にいるということです。 認知項目6点 補助具(補聴器等)の使用や特に付き添いがなくても、実施できるが軽度の困難を伴う場合です。 認知項目5~1点 運動項目では助言だけでは5点となるが、 認知項目の場合口を出すこと自体が介助に該当するため、 運動項目と同じ定義は使えません。 そこで、5点と4点の定義が変更され、10%未満の介助を5点、 75%以上90%未満自分で行える場合を4点としています。 http://ameblo.jp/yasuhsu82/entry-11842293447.html 一方、もう1 つのADL の評価方法があり、それをBarthel indexと言います。 これもADL を評価するものですが、FIM がADL「している」ことを評価するのに対し、 こちらはADL「できる」ことを評価し、 ポイントとしては「3 段階に分けて評価する(自立、部分介助、全介助)」ことがあります。 ![]() http://comedical.blog23.fc2.com/blog-entry-924.html そのため、問題文にFIM と書かれている今回の問題は、選択肢が全て「ADL している」ものになっているのです。 A 買い物をしている B 着替えをしている C 薬を服用している D ベッドへ移乗している 正解はB,D となります。 A の「買い物」やC の「薬の服用」は不可欠なものではなく、ADL の概念には含まれません。 次の問題で解説します。 問2 次のうち、ADL の評価に含まれるものはどれか。1つ選べ。 A 洗濯 B 歯磨き C 買い物 D 階段昇降 E 食事の準備 正解 D 今の説明を受ければよく分かると思いますが、悩むポイントは「B,D,E」でしょう。 これらは生きる上で不可欠に思えるからです。 しかし、前述したように、B の歯磨きは「整容」というADL の項目に含まれるものの、 あくまでもBarthel index の評価軸(歯磨きができれば「自立」と判断)であるため、ADL ではありません (ある予備校にて、ADL に含まれると説明しているところもあるようですが、それは誤った認識です)。 そして、E の食事の準備ですが、これがもし「食事」ならば「ADL」の項目に入りますが、 食事の準備というのはIADL(手段的日常生活動作)の項目に含まれます。 よって、正解はD の階段昇降となります。 なお、IADL(手段的日常生活動作)が出題されるとした場合、それは必修ではなく一般問題になります。 ADL が必修に出題される場合は、言うまでもなく「1 つ選べ」になるため、 今回の問題のように「悩むな~」と思う時は、絶対にADL に含まれている「階段昇降」を選択するようにしてください。 再度ADL についてまとめておきましょう。 ADL ・移乗、歩行、階段昇降 ・食事、入浴、排尿 ・更衣、整容 など 問3 高齢者総合機能評価(CGA)に含まれない内容はどれか。1 つ選べ。 A 意欲 B 認知機能 C 情緒と気分 D バイタルサイン E 手段的日常生活動作(IADL) 正解 D この問題は、109 回の医師国家試験に出題された問題です。 問題文にもあるように「高齢者」の「総合機能評価」という、まさに高齢化率26%超の日本において不可欠なポイントです。 高齢者関連の問題は、医師も歯科医師も共有されることが多い傾向にあるため、今後いずれかは出題されることになるでしょう。 さて、ここは 「なんとなくこれだろう」 と思える選択肢があるはずです。 そう、「バイタルサイン」は関係ありません。 それが分かったあなたは、相当勘が優れているので、新規の問題にも怖がらず勝ち抜けるでしょう。 この高齢者総合機能評価(CGA)にはこの選択肢にある「バイタルサイン」以外の項目が含まれます。 高齢者総合機能評価(CGA):高齢者を身体的・精神心理的・社会的側面から評価(アセスメント)する。 A 意欲 : その他の項目 B 認知機能 :精神心理的機能 C 情緒と気分 :精神心理的機能 E 手段的日常生活動作(IADL):身体的機能 (「日常生活動作:ADL」も身体的機能に含まれる) 問4 経鼻経管栄養法の特徴で正しいのはどれか。2 つ選べ。 A 外観が悪い B 長期管理ができる C 嚥下機能に影響がない D 使用期間は半年以内とする E 経管栄養の開始時には行わない 正解 AB 口腔以外から栄養を摂取しなければならない人は多くいます。 「今は大丈夫」だから考えられない事でも、時が経てば「明日は我が身」になるのがこの世の中です。 したがって、超高齢社会で医療業界に身を置くものとして、 摂食嚥下障害、及びその対応についてはしっかりと身に着けていただきたいのです。 そこらへんにいる人達には分からないことでも、私たちには必要な知識なのです。 それが社会的な責任であり、信用とも言えるのです。 さて、口腔から栄養を摂取できない人への対応として大きく2つの方法があります。 「経管栄養」(経腸栄養)と「経静脈栄養」です。 今回問題文にある経鼻経管栄養は前者の代表的なもので、他には胃瘻が含まれます。 今回は、この経鼻経管栄養と胃瘻、そして、経静脈栄養について最低限の知識を見ていきましょう。 経管栄養 1 「経鼻経管栄養法 」 鼻と書いてある通り「外鼻孔」からチューブをいれます。 チューブの先端は「胃」や「腸」(胃食道逆流症患者は「腸」)に留置します。 ![]() http://失敗しない看護師転職.jp/%E7%B5%8C%E7%AE%A1%E6%A0%84%E9%A4%8A%E3%81%AE%E3%82%B1%E3%82%A2%E3%81%A8%E6%B3%A8%E6%84%8F%E7%82%B9%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E6%8A%80%E8%A1%93/ さて、この「経鼻経管栄養」には 持続的な方法(チューブを留置する方法)と 間欠的な方法(その都度チューブをいれる方法)の2つがあります。 ここからも分かるように、持続的な経鼻経管栄養では、「常にチューブが胃に留置されている」状況のため、 誰が考えても「外観」が悪く、「不快感」を感じると分かるはずです。 それだけでなく、「嚥下」をする際にもチューブがある関係上、「嚥下をしにくくなる」傾向にあります。 一方、間欠的な経鼻経管栄養では、この2つの短所はありません。 ならば間欠的な方法のほうがいいじゃないか! と思うかもしれませんが、栄養摂取の度にその都度チューブを入れなければならないため、 それはそれで、患者さんの負担は大きいものになるでしょう。 そして何より、持続的な方法は「外観」や「不快感」と言ったウィークポイント(欠点)はあるものの、 『長期管理が可能』という大きな利点があるわけです。 ただし、 言うまでもなく「長期間も鼻の孔からチューブを入れている」と鼻粘膜、咽頭などに障害が生じるため、 基本的には「30 日~40 日」とされています。 その他の特徴として、チューブを留置することが容易なため、 経管栄養を始める時はこの方法を用いることが多いのです。 よって、正解はA,B となります。 とはいえ、E が誤っていると分からなくても、A とB が確実に正しいことが分かれば問題ありません。 続いて、同じ経管栄養に属する「胃瘻」について見ていきましょう。 ここも110 回の狙い目です。 2 「胃瘻」(PEG) 経鼻経管栄養は「持続的」なものと「間欠的」なものがありましたが、 胃瘻には「持続的」なもの!しかありません。 ご存じのように、胃瘻というのは「内視鏡」を用いて「おなかに小さな穴」をつくる手術のことです。 このお腹の穴を「胃瘻」と呼びます。 ![]() http://blog.10-plate.com/care/1707 つまり、直接的にお腹から胃にチューブを入れるため、 鼻から入れる経鼻経管栄養と比べると 「患者さんの不快感」や「嚥下機能への影響」及び「外観の悪さ」が少ないのです。 喉にチューブがないことからも分かるように言語訓練もしやすい環境と言えるでしょう。 つまり、持続的な経鼻経管栄養の短所である「不快感」「嚥下機能への影響」「悪い外観」「鼻粘膜の損傷」がなく、 さらには、間欠的な経鼻経管栄養の短所であるその都度チューブを入れるような 「患者さんの負担」もほとんどないことがわかります。 あら、胃瘻って最高じゃない!と思われたでしょう。 事実、経管栄養をする場合、胃瘻が第一選択となります。 では、なぜ皆が皆この方法を使わないのかと言うと、胃瘻には1つ大きな注意が伴うからです。 それはまさに「胃瘻の造設」という手術を伴うという点です。 その意味では患者の負担はあるわけですね。 したがって、「手術ができる状況」にあるかどうかはもちろんのこと、 出血傾向のある方には禁忌となるわけです。 よって、問題文に「出血傾向の強い所見」がある場合や、「明らかに手術は困難な状況」であると分かる時は、 胃瘻をすることは禁忌となります。 では、最後に「経管栄養」ではなくもう1 つの栄養摂取法である「経静脈栄養」についてポイントを見ていきましょう。 3 経静脈栄養 名前の通り「静脈」を用います。 主として「中心静脈」(上大静脈や下大静脈)そして「末梢静脈」のいずれかを利用します。 とはいえ、国家試験的には「中心静脈」を利用した中心静脈栄養が出題されやすいと思います。 なお、1 ヶ月以上経静脈栄養をする場合は、中心静脈栄養(高濃度のグルコース製剤を利用する)を選択します。 ![]() http://sgs.liranet.jp/sgs-blog/?p=1524 ご存じのとおり、中心静脈経由で栄養を入れていくため、 それはもはや「確実な栄養摂取」という確実性が高まります。 水、電解質、血圧などの維持もしやすいのです。 したがって、問題文に「血圧の調整がしやすい」と書かれていたら「経静脈栄養」が正解となります。 ただし!! 確実な栄養補給ではあるものの、これは静脈を介する方法であり、 生理的に行われる「腸からの吸収」による栄養摂取ではありません。 いわば「非」生理的な栄養摂取方法なのです。 その結果、代謝上の合併症が多くなる(管理栄養士の国家試験に出題!)傾向にあります。 また、腸の機能が使われないため腸粘膜萎縮により「腸管内の細菌が粘膜バリアを超え、 体内に移行してしまうリスク」があります。 これを専門用語で 「バクテリアルトランスロケーション」 と呼びます。 ★バクテリアルトランスロケーションが起こる背景は「腸粘膜の萎縮」 ★バクテリアルトランスロケーションが起こると「敗血症」「多臓器不全」「SIRS(全身性炎症反応症候群)」の原因になる。 なお、SIRS は「腸管で産生されたサイトカイン」による。 ![]() http://infy.life/articles/Tm8d4 問5 栄養摂取法について正しいのはどれか。1つ選べ。 A 経口摂取が不可能な場合、栄養素の補給はできない B 経皮内視鏡的胃瘻造設術は、経静脈栄養に用いる C 経静脈栄養は、経管栄養に比べて代謝上の合併症は少ない D 経静脈栄養は、経管栄養に比べてバクテリアルトランスロケーションを起こしやすい E 経静脈栄養が1 ヶ月に及ぶ場合、末梢静脈栄養を選択する 正解 D これは管理栄養士国家試験の問題で、これまで述べてきたことを把握できていれば、 容易に答えられることができると思います。 歯科医師国家試験ではこのような問われ方ではなく、もう少し選択肢を短くされた設定で出題されますが、 この問題を解く上で必要な知識は、確実に今後の歯科医師国家試験で役立ちます。 まず、A は論外です。 既に述べたように2つの方法があります。 B の胃瘻は、経管栄養です。 C は既に述べたように、非生理的な栄養摂取法である経静脈栄養の方が合併症が多くなります。 D も非生理的な栄養摂取である故に、腸を利用しない経静脈栄養に多いため、正解はD となります。 E はややマニアックな知識ですが、高濃度のグルコース製剤を用いる中心静脈栄養が選択されます。 この問題は「D」が分かれば解ける問題であるため、E の知識はそこまで重要ではありません。 ここで述べたことは摂食嚥下障害の関連問題を解く上で非常に重要な知識となります。 ぜひ、この時間を使って把握しましょう。 ![]() http://www.gebaeiyouclub.com/faq |
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