スポンサーリンク マクロファージの機能 (NBDE Part 1) - 医療関係資格試験マニア
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マクロファージの機能に関する基本事項

macrophages.jpg
http://www.biologyexams4u.com/2012/11/macrophages.html#.WB8y3Je7pdg

1st Aid Q&A NBDE Part 1: Microbiology and Pathology から


Q67

免疫応答システムとして機能するマクロファージについて正しいものはどれか?

A 胸腺内で産生される。
B サイトカインを生成する機能に欠く。
C MHC class II分子を介して抗原提示する。
D 結合組織内で食作用する機能に欠く。
E 細菌componentにより活性化されない。



関連記事:

109回歯科国試:免疫系 一般問題AC




解答:MOREへ

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解答


免疫応答システムとして機能するマクロファージについて正しいものはどれか?

A 胸腺内で産生される。
B サイトカインを生成する機能に欠く。
C MHC class II分子を介して抗原提示する。
D 結合組織内で食作用する機能に欠く。
E 細菌componentにより活性化されない。


正解:C

A ×
マクロファージは骨髄組織球由来。
血液中では単球(単核白血球)から分化する。
造血幹細胞から分化した単球として、組織内ではマクロファージとして存在する。

B ×
マクロファージは抗原を摂取すると、各種のサイトカインを放出し、特定のT細胞を活性化させる。
マクロファージは、食作用によって取り込み、分解した異物をいくつかの断片にし、
もともと細胞内に持っていたMHCクラスII分子(MHC-II)と結合させ、細胞表面に表出させる。
(抗原提示)

D ×
マクロファージは細菌、ウイルス、死んだ細胞等の異物を取り込む食作用を有する。

E ×
マクロファージは、細菌内のLPS、ペプチドグリカン、DNA、インターフェロンγなど
様々なcomponentにより活性化する。


マクロファージとは?

マクロファージは白血球のひとつで、血液中の「単球」から分化します。

造血幹細胞から分化した単球は骨髄で成熟し、血流に入ると体中で免疫に関わるようになります。

単球は約2日間血中に滞在した後、血管壁を通り抜けて組織内に入りマクロファージになります。


マクロファージの役割は?

マクロファージは、感染防御の第一線で監視役として働き、外敵(最近やウイルス)が侵入したときに最前線で戦う細胞です。

好中球などとともに、貪食細胞(どんしょくさいぼう)とも呼ばれ、異物を食べて消化・殺菌する能力があります。


貪食作用とは?

細胞膜の一部が陥入して、直径1μm以上の粒子(細菌など)を細胞内に取り込む作用のこと。
専門用語では、「ファゴサイトーシス」と呼ばれることもあります。

多くの細胞が貪食細胞をもちますが、マクロファージ、好中球、樹状細胞がとくに貪食作用の強い細胞です。


①疑わしいものは食べる!

マクロファージは、その表面にTLR(Toll like receptor , Toll様受容体)をもっています。
TLRからの刺激により、「ちょっとでもあやしい」と認識すると、
相手が誰であっても「無差別に」食べてしまう性質をもっています。


TLR.jpg 
http://www.jst.go.jp/kisoken/seika/jstnews/200312/04.html



この「無差別に」ということを、免疫学では「非特異的」とよんでいます。

つまり、マクロファージは細菌だろうが、ウイルスだろうが、よく分からないゴミだろうが、
それを「異物」を認識すると、とりあえず食べてしまうというわけです。


②炎症反応の準備を整える!

炎症性サイトカイン、ケモカイン、脂質メディエーターを産生し、血管を拡張したり、
他の免疫細胞を集めて、炎症反応をはじめる準備を整えます。


③IFN-α、βを産生し、ウイルスの増殖を抑える!

ウイルスを抗原として取り込むと、細胞の内側にあるTLRで感知します。
そして、IFN-α、βを産生することで、ウイルスを増殖を抑えます。


④抗原提示細胞として働く!


異物をなかに取り込んで(貪食)分解し、
抗原部分をもう一度細胞表面のMHCクラスⅡ分子の上に出します(=抗原提示)。

あくまで抗原提示という仕事の主役は「樹状細胞」ですが、マクロファージも抗原提示をすることができます。


⑤IFN-γを浴びるとスーパーサイヤ人状態に!

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)やTh1(ヘルパーT細胞)から産生されるIFN-γを浴びると、
とてつもなくパワーアップして、「活性化マクロファージ」となります。

活性化状態になると、貪食能がより強力になり、ウイルスの不活性化(感染力を失わせる)もできるようになります

また、炎症性サイトカインやウイルスの増殖を防ぐIFN-α、βもガンガン分泌し、まさに無双状態となります。


⑥掃除もできる万能屋!

マクロファージは最初から、ある程度組織も存在していて、最前線で防御を張っていますが、
後から単球⇒マクロファージとなってやってきたものもいます。

後から駆けつけたマクロファージは、
炎症部位に残った「戦い終わって死んだ細胞」や「炎症によって壊れた組織」を貪食していきます。

つまり、最後の「炎症現場の掃除屋」としても働いてくれるのです。

http://next-pharmacist.net/archives/3968


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2016/11/06 23:29 免疫:歯科 TB(-) CM(0)
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